アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

2016-01-01から1年間の記事一覧

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#10 "Menschen Seele und Tierseele" (10.11.1910)

Wenn wir uns umsehen im weiten, toten Naturreich, sprechen wir davon, 広大な、 死せる自然界を見渡すとき、 われわれは言うのです。daß der Geist in diesem weiten, toten Naturreich gleichsam im Stoffe erstarrt ist この死せる広大な自然における…

ヒュポテシス(古伝梗概)

詩が個人の肉体と同じくらいつつましやかで それにもかかわらず (人間の肉体同様に) 宇宙全体に匹敵するという 両極性を貫く一本の棒が私である繰り返し見てきた魚の夢 しかしなにかが傷付いているらしく 魚たちが巨大化している 幾億万のキリストの群れ!…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#9 "Menschen Seele und Tierseele" (10.11.1910)

Was sprechen wir denn dem Geiste eigentlich zu, wenn wir von Geist reden ? それでは、 われわれが霊について語るとしたら、 いったいどんなことを語りうるのでしょうか?Wir sprechen ihm dasjenige als Realität, als äußere Wirklichkeit zu, was wir…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#8 "Menschen Seele und Tierseele" (10.11.1910)

Nun schreiben wir dem Astralleib die Fähigkeit zu, daß dasjenige, was zum Beispiel beim Kristall die Gestaltung hervorruft, そこで、 われわれは、 アストラル体に、 例えば結晶の場合にその形態をひきおこすような能力を、 帰することになるのであ…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#7 "Menschen Seele und Tierseele" (10.11.1910)

Wir haben öfter gesagt, was dagegen eingewendet werden kann, das ist kinderleicht vorzubringen. 私たちは、 幾度と無く、 こどもでも容易に反論できるようなことを述べました。Aber diese Einwände sind auch solche, die bei einer tieferen Erfassun…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#6 "Menschen Seele und Tierseele" (10.11.1910)

Diese höheren Glieder sind also Realitäten und, insofern sie unsichtbare Glieder sind, gerade dem sichtbaren Glied, dem physischen Leib zugrund liegen. これら高次の身体的成員は現実のものであって、 目に見えない身体の成員として、 まさしく、 …

虜囚(第二稿)

無明の投降者 そのチャーミングな声 モグラの穴に足を取られる モグラの国の虜囚 下僕として育てられる 言葉が心だと知らない ミミズハンバーグとオケラの丸焼きをサーブする ここは地中の城だ 山のとんぶり君は憂慮している 「美しい鉱物図鑑」 タンポポの…

虜囚

無明の投降者 そのチャーミングな声 モグラの穴に足を取られる モグラの国の虜囚 下僕として育てられる 言葉が心だと知らない ミミズハンバーグとオケラの丸焼きをサーブする ここは地中の城だ 山のとんぶり君は憂慮している 「美しい鉱物図鑑」 タンポポの…

歩く星たち(第二稿)

夜の帳が降りた 珈琲カップが二つ 天井の高い喫茶店の窓際で 避難について真剣に話した 戦時中の会話のようだ 未だこの現実を認めることに躊躇している自分の不甲斐なさ これほど明らかなのに 目に見えない戦争の只中で 線量計の数値だけが明かす現実とは何…

決闘(第三稿)

ポットのお湯でインスタント珈琲を淹れていたら、時代がかった大げさな身振りで性を語る安藤君を思い出し、それが「ゴーガンダンテス」のキャラクターに重なった。少し滑稽で愛すべき伊達男達。やはり死すべき運命だったのか、ゴーガンダンテスのように。あれ…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#5 "Menschen Seele und Tierseele" (10.11.1910)

Ebenso muß, wenn geisteswissenschaftlich gesprochen wird, ein drittes Glied der menschlichen Wesenheit anerkannt werden, der Astralleib, 同様に、 霊学的に論じる際には、 人間本性における第三の成員も認識しなければなりません。 それはアストラ…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#4 "Menschen Seele und Tierseele" (10.11.1910)

Wie es sozusagen leicht wird, manches andere zu widerlegen - was in dem ersten Vortrage dieser Serie gesagt und gezeigt worden ist -, wenn man sich an landläufige Begriff hält,人々が通俗的な考え方を持ち続けているときに、 ーこの連続講演の第…

剣について(第五稿)

あなたの盛り上がった傷口の上を 日傘をさした婦人たちが通り過ぎる そこにどのような天使たちの介在があったのか?死を隠蔽する落下傘 眩い落下傘が大空に花開くとき 君の死が隠蔽される耳もとに落ちていく風の音 シューベルト弦楽四重奏曲第十四番ニ短調出…

私の天使に(第三稿)

私は詩論を読む。戦後詩人たちの輝かしい言葉*。しかし私自身には詩論・詩学を信じる気持ちは毛頭無く、ほんとうはそこにある言葉にしてはいけないものの存在が詩を支えているのだと知っている。たとえば今日のように冷たい曇天の窓から射す薄日が床に落とす…

死の隠喩

輪廻転生説の最大の謎は、人間が(これだけ)繰り返し繰り返し苦しい目に遭いながら、なぜ再度、地上に生まれてくる決意を持ちうるのかということだった。しかし、その謎(問い)自体にすでに答えが隠されていたのだ。彼岸で希望を見る、見たのだ。死が死で…

時間について(第二稿)

現在(Dasein)とは未来と過去を切断する『虚』であって、われわれは肉体によってこの『虚』にピン留めされている標本のようなものである。標本が生命を吹き込まれる。『虚』から開放される。未来も過去もないひとつながりの時間のなかに。それが死である。…

時間について

現在(Dasein)とは未来と過去を切断する「虚」であって、われわれは肉体によってこの「虚」にピン留めされている標本のようなものである。標本が生命を吹き込まれる。「虚」から開放される。未来も過去もないひとつながりの時間のなかに。それが死である。…

私の天使に(第二稿)

私は詩論を読む。戦後詩人たちの輝かしい言葉(多くは飯塚書店の絶版・古書)。しかし私自身には詩論・詩学を信じる気持ちは毛頭無く、ほんとうはそこにある言葉にしてはいけないものの存在が詩を支えているのだと知っている。たとえば今日のように冷たい曇…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#3 "Menschen Seele und Tierseele" (10.11.1910)

Nur der kann Erkenntnis als etwas Wirkliches betrachten, der sich sagt: 認識を現実のものとして観察できる人だけがこういうのです。Was ich zuletzt in meinem Geist in der Erkenntnis finden und behalten, gegenwärtig machen kann, 畢竟、 私の認識…

アリストテレス「霊魂論」に関するメモ(ヘーゲル哲学史講義による)

ヘーゲル哲学史講義によれば、アリストテレスの「魂論」(岩波旧全集では「霊魂論」)は、シュタイナー「神智学」における三分節化(自我・アストラル体・エーテル体)とみごとに対応しているように思える。ギリシャ哲学と神智学。大事なところだけ書写して…

松田優作・日本人・日本語

子供たちの活躍の裏で…前妻が明かした松田優作の在日差別への恐れと日本国籍への執着 https://t.co/fOijAu6Po1— 俗名 ざらすとろ 享年?歳 (@georg_trakl) 2016年3月22日 【記事】優作は膀胱ガンにより40歳の生涯を終えてから26年。日本人は松田優作という俳…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#2 "Menschen Seele und Tierseele" (10.11.1910)

Wenn wir geisteswissenschaftlich, wie es hier geschehen soll, von Seele sprechen, ここで行うように、 靈学的に魂について語る場合には、dann ist mit dem Begriff der Seele immer der andere Begriff der Innerlichkeit, des Innerlichen Erlebens ve…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#1"Menschen Seele und Tierseele" (10.11.1910)

Vielleicht ist es Ihnen aufgefallen, daß im Anschluß an den heutigen Vortrag hier in acht Tagen ein Vortrag gehalten werden soll über >, während heute der Gegenstand, über den wir sprechen wollen,> heißt.今日話し合いたい話題が「人間の魂と…

「論理哲学論考」 序(試訳) 改

Dieses Buch wird vielleicht nur der verstehen, der die Gedanken, die darin ausgedrückt sind -oder doch ähnlich Gedanken- schon selbst einmal gedacht hat. この書物を理解するのは、おそらく、ここで表現された思想(あるいは、少なくとも類似した…

ランゲの首(第二稿)

すでに朝日の射す部屋には血の匂いが立ち籠めていた。病気の猫の身体が血の分子になって部屋の大きさにまで拡大・飛散していたのである。エーテル化した猫の身体の中で、朝日を浴びるぼくの思念は集中と拡散を鼓動しながら、宇宙の生命の輪郭に触れようとし…

夢魔(第三稿)

マルキオンは死なない 夢魔君の脳髄をストローで吸いたい そのときぼくの頭上に広がる君の歌声 それは青空を満たすほどに失われた天国である物の裏側 影こそが美しい もどかしげな愛の手つき そしてぼくの掌を覆う十字架 それは神秘家の徴であるマルキオンは…

黄金律(第二稿)

同情も慰めも不在の荒野を彷徨う 傷ついた犬の幻を追って 実在しない老婆が教える泉の水を飲んでしまう 行方知らずの娘は洞窟の老婆? 時間と経験の洞窟で死んだ老婆はデンマークの城で目覚める 新しい少女として 犬だけが傷を負ったままだ 荒野の父は過去に…

惑星(第二稿)

詩と死王 恐怖こそが問題だった 夢の皮を一枚一枚めくっていくだけではすまされない それは夜の街だ 凍える肉體 月光こそが恐怖だぼくの頭のなかには海があって ひとつの惑星が浮かんでいる なんて余白の多い惑星だろう 孤独な惑星は余白に書き込まれる言葉…

惑星

詩と死王 恐怖こそが問題だった 夢の皮を一枚一枚めくっていくだけではすまされない それは夜の街だ 凍える肉體 月光こそが恐怖だぼくの頭のなかには海があって ひとつの惑星が浮かんでいる なんて余白の多い惑星だろう 孤独な惑星は余白に書き込まれる言葉…

夢の臍ー高橋義孝譯・フロイド「夢判断」読書メモ

『どんな夢にも、すくなくとも一箇處、どうしてもわからない部分がある。それは、それによつてその夢が未知なるものにつながつている臍の如きものなのである。』 高橋義孝譯・フロイド「夢判断・上」ーII 夢判斷の方法ーある夢標本の分析一八八五年(明治18…