『どんな夢にも、すくなくとも一箇處、どうしてもわからない部分がある。それは、それによつてその夢が未知なるものにつながつている臍の如きものなのである。』
高橋義孝譯・フロイド「夢判断・上」ーII 夢判斷の方法ーある夢標本の分析
一八八五年(明治18年)私が推奨したコカインの使用は囂々(ごうごう)たる非難を呼んだ。一八九五年(明治28年)になくなつた親友のひとりは、コカインの亂用のためにその死を早めたのであつた。(同)
『・・・だから夢の内容はある願望充足であり、夢の動機はある願望である。』(同)
シュタイナーは同時代の精神分析學に對して、「幼児に実弾入りのピストルをあてがうようなもの」と批判していたと思う。どの辺りがそうなのか、も、興味がある處。。。
しかし『夢には秘密の臍があって、それが未知の世界に通じているのだ』というフロイドの直感が、そのまま見捨てられてしまうのか、それともなんらかの成長を遂げるのかには、興味があります。
夜ごと夜ごと夢の胎児を育てている栄養はどこから来るのか? 夢のなかのどうしてもわからない「臍」が通じている向こう側。。。
「ひとは今ここに示されたような夢判断の方法を採用するならば、夢は實際にひとつの意味を持つており、在来多くの研究家たちが考えたように、決して支離滅裂な腦活動の表現ではないということを見出す筈である。夢判断を終わつてみると、夢というものがひとつの願望充足であることがわかるのである。」(同)