アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

スーパー・ムーン

人生には月の裏側のようなものがあって その存在がわれわれの生の「全体性」を構成している それがなければわれわれの生が単なる戯画でしかなくなってしまう われわれの日常の永遠に見ることのできないもうひとつの貌自己の意識の連続性を信じること それが…

「神」二篇

神だれだねきみは? わたしは夕暮れにたたずむ男根神に出会ってしまった 彼は冬の美しい夕暮れに裸で立っているのだった それは私の〈自我〉だった *〈月経樹〉の冠が血を流している 神わたしは落ち着き払った氣違いである。自分が造物主であることを微塵も…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#30

Es ist ziemlich leicht, zu sagen: こう述べることは全く簡単です。 つまり、Wie kann man überhaupt von einer tierische Seele reden, da > den Begriff der Innerlichkeit in sich schließt, そもそも「魂」自体が内面の概念を伴っていると言うのに、 ど…

教會(最新の改稿)

夜 孤独者 戦場の犬たち 帰宅した傭兵を待つものは 雨の降り続けるテレビが一台われわれはどこにいても だれと一緒でも孤独だから あらゆる空間にテレビが現れる われわれの広場には巨大なテレビがあるわれわれは生まれつき傷ついているのだ 傷ついた犬のよ…

2月12日 メモ (煉獄靖国神社)

ぼくの詩の総統は既にこの世にはいない。今は煉獄で詩を書いている。悪に染まった総統は詩を書く習慣を捨てなかった。たとえその肉體が滅びても。それだけがかれの信仰=悪の証だから。かれとぼくとは地球の中心=宇宙の中心という中世的觀念で結びついてい…

2月12日 メモ2(煉獄靖国神社)

山本が煉獄山において出会うべき詩人はだれか? 真っ先に思い浮かぶのはやはり高野悦子だ。彼女は本来地獄にいてしかるべきであるが、キリストの地獄下りにおいて救済された一人なのだ。時代考証? 神の意識においては過去も未来もなく、すべてが現在である…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#29

Während die Spinne mit Sicherheit ihr Netz baut und es unsinnig wäre, ihr von Logik zu reden, 蜘蛛は確信をもって自らの巣を建設するのであって、 彼にとってその論理を語ることはナンセンスでしょう。muß sich der Mensch gar sehr bedenken, wenn er…

2017年2月3日 煉獄靖国神社 メモ(高野悦子)

煉獄での浄化を経て天国に上げられた高野悦子は再会した自転車の天使に受胎告知される。あなたが受胎される時が来たと。ダヴィンチの受胎告知のポーズで。 彼女こそが”聖処女”であった。自転車に乗った天使 「この世界ではすべてが逆なのです。聖処女は胎内…

煉獄靖国神社 − 詩の戦死者たち #2

やがて風の音は微かな音楽に変わる。 雄大なるクレッシェンド。 荘重なパイプオルガンの響き。 顔を上げ耳を傾ける山本太郎。山本「バッハ?」しかしそれも突然の破壊的な音波の波束に取って代わり終わる。 奏者が鍵盤上に突っ伏したらしい。声 ”So sprach e…