神
だれだねきみは?
わたしは夕暮れにたたずむ男根神に出会ってしまった
彼は冬の美しい夕暮れに裸で立っているのだった
それは私の〈自我〉だった
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〈月経樹〉の冠が血を流している
神
わたしは落ち着き払った氣違いである。自分が造物主であることを微塵も疑っていない。そしてこの世界を作ってしまったことを深く後悔している。なぜなら誰も私の「作品」を理解してくれないから。私はいつも悲しい気持ちで作品たちをながめる。私が後悔していない唯一の作品はバッハだけだ。世界はバッハの附属物であるにすぎない。造物主の私がこういうのだからこれは確かなことである。
そうして封書で送られてきた郵便を開封してみるとちょうど一杯分の苺のフレーバー・ティーのサンプルが入っていた。こういうものが世界創造のきっかけを与えることは凡人どもには知られていないだろう。
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造物主の私にしか知覚できない夕暮れというものがある
それは女の裸のようにうつくしい