アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

歩く星たち(第二稿)

夜の帳が降りた 珈琲カップが二つ 天井の高い喫茶店の窓際で 避難について真剣に話した 戦時中の会話のようだ 未だこの現実を認めることに躊躇している自分の不甲斐なさ これほど明らかなのに 目に見えない戦争の只中で 線量計の数値だけが明かす現実とは何…

決闘(第三稿)

ポットのお湯でインスタント珈琲を淹れていたら、時代がかった大げさな身振りで性を語る安藤君を思い出し、それが「ゴーガンダンテス」のキャラクターに重なった。少し滑稽で愛すべき伊達男達。やはり死すべき運命だったのか、ゴーガンダンテスのように。あれ…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#5 "Menschen Seele und Tierseele" (10.11.1910)

Ebenso muß, wenn geisteswissenschaftlich gesprochen wird, ein drittes Glied der menschlichen Wesenheit anerkannt werden, der Astralleib, 同様に、 霊学的に論じる際には、 人間本性における第三の成員も認識しなければなりません。 それはアストラ…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#4 "Menschen Seele und Tierseele" (10.11.1910)

Wie es sozusagen leicht wird, manches andere zu widerlegen - was in dem ersten Vortrage dieser Serie gesagt und gezeigt worden ist -, wenn man sich an landläufige Begriff hält,人々が通俗的な考え方を持ち続けているときに、 ーこの連続講演の第…

剣について(第五稿)

あなたの盛り上がった傷口の上を 日傘をさした婦人たちが通り過ぎる そこにどのような天使たちの介在があったのか?死を隠蔽する落下傘 眩い落下傘が大空に花開くとき 君の死が隠蔽される耳もとに落ちていく風の音 シューベルト弦楽四重奏曲第十四番ニ短調出…

私の天使に(第三稿)

私は詩論を読む。戦後詩人たちの輝かしい言葉*。しかし私自身には詩論・詩学を信じる気持ちは毛頭無く、ほんとうはそこにある言葉にしてはいけないものの存在が詩を支えているのだと知っている。たとえば今日のように冷たい曇天の窓から射す薄日が床に落とす…

死の隠喩

輪廻転生説の最大の謎は、人間が(これだけ)繰り返し繰り返し苦しい目に遭いながら、なぜ再度、地上に生まれてくる決意を持ちうるのかということだった。しかし、その謎(問い)自体にすでに答えが隠されていたのだ。彼岸で希望を見る、見たのだ。死が死で…

時間について(第二稿)

現在(Dasein)とは未来と過去を切断する『虚』であって、われわれは肉体によってこの『虚』にピン留めされている標本のようなものである。標本が生命を吹き込まれる。『虚』から開放される。未来も過去もないひとつながりの時間のなかに。それが死である。…

時間について

現在(Dasein)とは未来と過去を切断する「虚」であって、われわれは肉体によってこの「虚」にピン留めされている標本のようなものである。標本が生命を吹き込まれる。「虚」から開放される。未来も過去もないひとつながりの時間のなかに。それが死である。…