アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

2017-01-01から1年間の記事一覧

聖ヨハネの惑星/或いは不二の光

関係代名詞 連鎖するアレゴリーは 読み解かねばならぬ 世界は詩のように書かれている それが悲劇であっても コロスは唄う慟哭 あのとき 陽の光が 膝の上に堕ちて溶けた 翼の生えた関係代名詞が 膝の上で死んで ぼくを慰める 熱になった目に見えないものの臨…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月17日#21

Also es kommt nicht darauf an, また、ob wir dem Menschen einen Vorzug geben vor Tier oder nicht, 人間が動物に対して優っているか否かが問題なのではありません。das wäre der verkehrte Weg; そのような考え方では(真実に対して)逆の方向になってし…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月17日#20

Daher haben wir also sozusagen an dem geistigen Ende des Menschen auch das Umgekehrte, 人間の靈的目的ともいうべきものに関して、 ここから、 逆もまた導けるのであります。wenn wir nur das Wort nicht unedel anwenden, sondern entsprechend ins Ge…

秋のエヴァ

ところが神様は報復しない (自らに復讐を遂げさせるのみ) 不滅の惡 無垢のアダムとエヴァ 何度生まれ変わっても 絶対支配者階級! 夜ごと媚液に浸り 蘇生する 下層民には被虐の喜悦を! 二人の同時代人 ぼくたちのもどかしいカルマ これこそが原罪?Du muß…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月17日#19

Das ist in der Tat eine außerordentlich interessante Tatsache, これは本当に特筆すべき眞實なのであります。denn sie weist darauf hin, なぜならば、 これが示していることは、daß der Menschen jenen Verkehr mit dem Geist, durch den er in die Lage…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月17日#18

Wie sehen,daß wir nicht zusammenwerfen,was der Mensch im Begriff erlebt, われわれが概念において経験するものと、mit dem,was er erlebt,indem er den Begriff selber verwirklicht und selber ausgestaltet. われわれが自らその概念を実現・完成するこ…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月17日#17

So sehen wir im Menschen ein Wesen, das seine Sinnenwelt in der Mitte hat zwischen zwei Polen. 従って、 人間には、 ある本質があって、 それが二つの極の間の中央に、 感覚世界を保持しているのであります。Er hat seine Sinnenwelt: 人間には感覚の…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月17日#16

Nun denken wir uns jetzt einmal folgendes, われわれはここで、 以下のように考える他にないのであります。ich rede,weil die Dinge mehr oder weniger subtil sind, 事態はいずれにせよ微妙ではありますが、in Gleichnissen: 比喩的に言えば、Denken wir …

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月17日#15

Und wahrhaftig nicht aus Unbescheidenheit, これは本当に不遜な気持ちからでは無く、sondern um ein Beispiel anzuführen für das, was gemeint ist, 今述べたことへの例を示したい気持ちからなのでありますが、will ich dabei hinweisen auf das von mir …

死なない伝令

歴史という全体があったとしてもその先端は燃える導火線に過ぎない。その炎が私の耳元で絶えずつぶやき続ける。世界が劣化する機械は完成し過ぎている。その不可逆ラチェットが破滅に向けて進んで行く。生と死の間を彷徨うもの。見えるものと見えないものの…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月17日#14

Die Sprache hat nicht nur den Geist, der sich äußert im Inhalt der Worte, die Sprache hat auch eine Seele. 言語は言葉の内容において現れる靈を持つのみならず、 ひとつの魂をも持つのであります。Und viel mehr als wir denken, wirkt gerade in dem…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月17日#13

Wenn wir dies so erleben, dürfen wir uns sagen: このことを知ったわれわれには、 以下のように述べることが許されるのであります。 即ち、Also sehen wir am Menschen, 人間においても、 wenn wir nur nicht mit abstrakten, trockenen, nüchternen Begri…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月17日#12

Es wird der materialistischen Forschung nicht gelingen, für die Wahrnehmung einer Ich-Wesenheit in der tierischen Organisation etwas nachzuweisen; 唯物論的な研究が、 動物の生体における自我本質の感覚(自我感覚)について、 何らかの証明に成功…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月17日#11

Nun betrachten wir aber den Menschen einmal etwas anders. しかしながら、 われわれは、 ともかく、 人間を別様に見ることになるのであります。Da haben wir - was offen am Tage liegt - die Fähigkeit der Sprache, eine gewisse Denkungsart und ein g…

朗読する蠅の王(十月十一日版)

これは精密に制御された狂気のようなものである(しかしそこに懐かしさがあるのはなぜだろう?) 狂気の側に賭けている大きな傾斜 平衡を拒むもの 傷口から羽化する蠅の王 黒い透明な羽をもつ 蠅 あるいは詩人 ・・・細菌やウィールスはもっとも効果的な(ヨ…

  朗読する蠅の王

これは精密に制御された狂気のようなものである しかしそこに懐かしさが漂うのはなぜだろう 狂気の側に賭けている大きな傾斜 平衡を拒むもの 傷口から羽化する蠅の王 黒い透明な羽をもつ蠅 あるいは詩人・・・細菌やウィールスはもっとも効果的な (ヨーロッ…

欲望(九月の改稿)

厳粛な欲望は下ろしたての夏服を着た水兵のように耀く祝福せよ! あらゆる手立てを用いて達成される 生殖の瀰漫するこの世界を!雨 雨 雨 六月の雨に濡れよ欲望の速度に絶望は追いつけない 大気を支配する 異教徒の天体崇拝者 黄金の錫をもつ 植物の王よ 髑…

福音(八月の改稿)

1S博士によれば 人間が 靈感を 感受できる期間は 一月のうちの 半分にすぎない と言うぼくはすでに その半分を逃したようだ 自分を追い立てる 情熱の正体も 分からなくなってしまったたとえば ”四本の手のためのピアノソナタ” モーツァルトなら 躊躇するこ…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月17日#10

Wir können aber auch sehen, wie die Kräfte, die in der Eigenbewegung organisierend wirken, この各人に固有の動作において組織的に働く諸力が、im späteren Leben weiterwirken, 後の人生になってどのように働くかは、wenn wir von der Gebärde, die si…

鯨(八月二十日の改稿)

目の前の人間が 警官に 連れ去られて行く 現場を 見た 発言の内容に 引っかかるものが あったのである 警官が それを 指摘したとき 彼は しまった! という顔をしたが すぐに 警官について 去って行った しかし それが 「凍った鯨の夢」と どう繋がっていた…

教會(八月の改稿 改行版)

夜 孤独者 戦場の犬たち 帰宅した傭兵を待つものは 雨の降り続ける テレビが一台われわれは どこにいても だれと一緒でも 孤独だから あらゆる空間にテレビが現れる われわれの広場には巨大なテレビがあるわれわれは生まれつき傷ついているのだ 傷ついた犬の…

鯨(八月の改稿)

目の前の人間が 警官に連れ去られていく 現場を見た 発言の内容に 引っかかるものが あったのである 警官が それを指摘したとき 彼は しまった という顔をしたが すぐに 警官について 去って行った しかし それが 凍った鯨の夢と どう繋がっていたのか凍った…

教會(八月の改稿)

夜 孤独者 戦場の犬たち 帰宅した傭兵を 待つものは 雨の降り続ける テレビが一台われわれは どこにいても だれと一緒でも 孤独だから あらゆる空間に テレビが現れる われわれの広場には 巨大なテレビがあるわれわれは 生まれつき 傷ついているのだ 傷つい…

欲望(八月の改稿)

厳粛な欲望は下ろしたての夏服を着た水兵のように耀く 祝福せよ あらゆる手管を用いて達成される生殖の瀰漫するこの世界を! 雨 雨 雨 六月の雨に濡れよ欲望の速度に絶望は追いつけない 大気を支配する 異教徒の天体崇拝者 黄金の錫をもつ 植物の王よ 髑髏が…

ざらすとろのピアノ(八月の改稿)

1諸侯 貴族 農奴 賤農階級闘争目に見える世界史が エンゲルスを鼓舞したとき われらの時代はまだ明るかった指導者 ゲオルグ・ドシャ 灼熱せる王座で炙られ その条件でのみ助命を約束された おのれの部下によって 生きながら食われたというドイツ農民戦争そ…

音樂(八月の再録)

夜更けになると音樂が美しく聞こえるようになるのは何故だろう もはやぼくたちには星さえ残されていないのに 眠ることが許されない夜神様の宿題を 思い出すまでは 眠ってはいけない蜻蛉の羽の生えたエンゼルが眠りに落ちた私のかわりに思い出す 死んだ女のこ…

歩く星たち(八月の採録)

夜の帳が降りた 珈琲カップが二つ 天井の高い喫茶店の窓際で 避難について真剣に話をした 戦時中の会話のようだ 未だこの現実を認めることに躊躇している自分の不甲斐なさ これほど明らかなのに 目に見えない戦争の最中にいる自分たち 線量計の数値だけが明…

赤いスピンクス(八月の改稿)

あなたの言葉は光ですか? 私の言葉は闇だろうか あなたの言葉の謎には触れぬがよいあなたの言葉が洩れ出るとき 世界は流出しない 世界は外包されるのです 私にはあなたの言葉がおそろしい 外包された世界が私を呪いますあなたの錬金術 言葉の錬金術は 黒い…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月17日#9

Wir finden nun in der Tat diese Kräfte wieder in einer ganz charakteristischen Weise für den Fortschritt des Geistes am Menschen deutlich hervortreten. 事実、 これら諸力が、 再び、 全く特徴的なあり方で、 人間における靈の発達のために明確に…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月17日#8

Auch da bleibt dem Menschen ein Spielraum, das Leben in einer ganz gewissen Weise in die Form hineinzugießen, ここでも、 人間にとっては、 ある特定の仕方で生が形態に流れ込む自由が残されているのであります。so daß wir nur vorauszuschicken bra…