アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

彼岸への跳躍(ヘルマン・ワイル「数学と自然科学の哲学」)

3.諸性格は、現実に現れるように個別的に呈示されはしない、しかし、それらの記号は一定の方法によって生成され、無限に向かって開いている可能性の順序づけられた集合体の背景に投射される。認識はここで立停ってはいない。 けっして完結せず相変わらず無…

弱い獸

六月の水に溶けていく 弱い獣 秘密と韜晦の張力に耐えきれない 水面の膨らみから 押し出されてくる 毛と骨とわずかな肉「人はどんなときに黙るのでしょう?」それはきっと悲しいとき 死にたいとすればそれは愛ゆえに 生きたいとすればそれも愛ゆえに「今日は…

アリストテレスの自然哲学「物質のありかた=必然、自然の根底=目的」(ヘーゲル哲学史講義)

(β)目的とならぶ自然のもう一つの側面 ー自然における必然のつながりー も、 アリストテレスは的確にとらえています。・・・ 「家はこうした必然(物質的な必然)なしにはつくりだされないが、 こうした必然(関係としての必然)を実現するためにつくられ…

アリストテレスの自然哲学(ヘーゲル哲学史講義)

アリストテレスをもふくむ古代人は、 自然学といえば自然の一般概念をとらえるものと理解していたので、 自然学とは原理の論をさしました。というのも、 自然現象のうちには原理とその結果としての現象という本質的な区別があるからで、 この区別を統一へと…

「科学に含まれた形而上学的意味」 ヘルマン・ワイル

年とともに私は科学に含まれた形而上学的意味について狐疑的になってきた;”年をとるにつれて、世の中はますます奇妙になり、その模様はますます複雑になる。” しかも科学は真理と実在への、支えとなる超越的信仰がなくては、また一方それに事実および構成と…

自我的「再構成」の手前へー行為と他者の呼びかけ;田口茂「現象学という思考」

自我は、 「自分が一切を見ている」というモードでいつも働いているわけではないのに、 反省的思考のなかに入り込むと、 「自我が一切を見ている」という仕方で、 すべてを再構成的に塗り込めてしまう。それ以前の現象の生きられ方・経験のされ方は、 変様を…

坂口安吾「教組の文学」より

疑りもする、信じもする、信じようとし思いこもうとし、体当たり、遁走、まったく惡戰苦労である。こんなにして、なぜ生きるんだ。文学とか哲学とか宗教とか、諸々の思想というものがそこから生まれて育ってきたのだ。それはすべて生きるためのものだ。生き…

「人智学、その本質および哲学的根拠について」 ベルン 1920年(大正9年)7月8日;独逸語の勉強 #36

So möchte ich Ihnen sozusagen mehr als Ergebnis zeigen, wozu man in Bezug auf die Erkenntnis eines Entwicklungsmomentes des Menschen kommt, wenn man geisteswissenschaftlich forschend vorgeht. そこで、 皆さんに、 更に、 霊学研究が進展するに…

”Das Zeitalter der Bibel”を読む独逸語の勉強 #1

I Die Heimat der Bibel 聖書の故郷Deinen Nachkommen will ich dies Land geben. Genesis 12,7 おまえの子孫にこの地を与えよう。 創世記12.7Der VORDERE ORIENT war schon immer eine Region, die in besonderem Maß durch Mannigfaltigkeit in den klimat…