アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

2016-01-01から1年間の記事一覧

ヒュポテシス(古伝梗概) 第四稿

詩が個人の肉体と同じくらいつつましやかで それにもかかわらず (人間の肉体同様に) 宇宙全体に匹敵するという 両極性を貫く一本の棒が私である繰り返し見てきた魚の夢 しかしどこか傷ついているらしく 魚たちが巨大化している 幾億万のキリストの群れ 私…

ヤーコブ・ベーメとその敵

1自分の中に入っていく糸口が見付からない? 自分の中に入って行くことはラクダが針の穴を通るよりも難しいと言われる 頻繁に涙が出てくる ぼくはラクダのように涙腺を通って自分の中に入って行かなければならない君は子どもにかえって天の高いところで下界…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#17

In diesem Ausgestalten erkennen wir die Wirksamkeit des Geistes an, この(ヤドカリの)形成行為にわれわれは靈のはたらきを認めるのです。und in dem Dabeisein des Tieres bei diesem Ausgestalten erkennen wir das seelische Leben des Tieres. そし…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#16

Geradeso wie die Mensch die Fähigkeit, die zweiten Zähne zu bekommen, auch nicht erst erwirbt 人間は第二歯(永久歯)を得ることができますが、 それが最初には現れてこないことと全く同様に、 - er hat sie, wenn auch die zweiten Zähne erst später…

鳥(第三稿)

鳥が飛ぶ! 狂った遠近法の中を 苦しい風の抵抗の中を 鳥が飛ぶ!世界の延長の涯ての 燃え尽きる時間の縁を 鳥が飛ぶ!風の中に揺れる陽炎 歷史の消失点を探す 金色の瞳を見開いて 鳥が飛ぶ!重力を支配する 否定の霊たちを震撼させる 怖ろしい叫び声をあげ…

鳥(第二稿:現時点決定稿)

鳥が飛ぶ!狂った遠近法の中を 苦しい風の抵抗の中を鳥が飛ぶ!世界の延長の涯ての燃え尽きる時間の縁を鳥が飛ぶ!風の中に揺れる陽炎 歷史の消失点を探す 金色の瞳を見開いて鳥が飛ぶ!重力の支配 否定の霊たちを震撼させる 怖ろしい叫び声をあげながら鳥が…

福音(第六稿)

1S博士によれば人間が靈感を感受できる期間は一月のうちの半分にすぎないと言う。ぼくはすでにその半分を逃したようだ。自分を追い立てる情熱の正体も分からなくなってしまった。たとえば”四本の手のためのピアノソナタ”。モーツァルトなら躊躇することもな…

福音(第五稿)

1S博士によれば人間が靈感を受けられる期間は一月のうちの半分にすぎないと言う。ぼくはすでにその半分を逃したようだ。自分を追い立てる情熱の正体も分からなくなってしまった。たとえば”四本の手のためのピアノソナタ”。モーツァルトなら躊躇することもな…

暗喩(第二稿)

1輪廻転生説の最大の謎は、人間がそれだけ(繰り返し繰り返し)悲しい目に遭いながら、なぜ再度地上に生まれてくる決意を持ちうるのかということだった。しかしその謎=問い自体にすでに答えが隠されていたのだ。彼岸で希望を見る。見たのだ。死が死では無い…

私の天使に(第四稿)

私は詩論を読む。戦後詩人たちの輝かしい言葉*。しかし私自身には詩論・詩学を信じる気持ちは毛頭無く、ほんとうはそこにある言葉にしてはいけないものの存在が詩を支えているのだと知っている。たとえば今日のように冷たい曇天の窓から射す薄日が床に落とす…

暗喩(「死の隠喩」改稿)

1輪廻転生説の最大の謎は、人間がそれだけ(繰り返し繰り返し)悲しい目に遭いながら、なぜ再度地上に生まれてくる決意を持ちうるのかということだった。しかしその謎=問い自体にすでに答えが隠されていたのだ。彼岸で希望を見る。見たのだ。死が死では無…

福音(第四稿)

1S博士によれば人間が靈感を受けられる期間は一月のうちの半分にすぎないと言う。ぼくはすでにその半分を逃したようだ。自分を追い立てる情熱の正体も分からなくなってしまった。たとえば”四本の手のためのピアノソナタ”。モーツァルトなら躊躇することもな…

福音(第三稿)

1S博士によれば人間が靈感を受けられる期間は一月のうちの半分にすぎないと言う。ぼくはすでにその半分を逃したようだ。自分を追い立てる情熱の正体も分からなくなってしまった。たとえば”四本の手のためのピアノソナタ”。モーツァルトなら躊躇することもな…

音楽(第二稿)

夜更けになると音楽が美しく聞こえるようになるのは何故だろう もはやぼくたちには星さえ残されていないのに 眠ることが許されない夜神様の宿題を 思い出すまでは 眠ってはいけない蜻蛉の羽の生えたエンゼルが眠りに落ちた私のかわりに思い出す 死んだ女のこ…

コペンハーゲン(第三稿)

遅い、遅れてきた中性子 リアリティの賛美=光と絶望的光景=陰の両極間を連続的に反転し続けるモーターのようなもの 言葉は空虚な事件であることを認める真犯人としての音楽家 見えない 夏の花 純粋な観測者なんてありえない (という現代物理学の常識) 同…

コペンハーゲン(第二稿)

遅い、遅れてきた中性子 リアリティの賛美(光)と絶望的光景(陰)の両極間を連続的に反転し続けるモーターのようなもの 言葉は空虚な事件であることを認める真犯人としての音楽家 見えない 夏の花 純粋な観測者なんてありえない (という現代物理学の常識…

コペンハーゲン(第二稿)

遅い、遅れてきた中性子 リアリティの賛美(光)と絶望的光景(陰)の両極間を連続的に反転し続けるモーターのようなもの 言葉は空虚な事件であることを認める真犯人としての音楽家 見えない 夏の花 純粋な観測者なんてありえない (という現代物理学の常識…

コペンハーゲン(第二稿)

遅い、遅れてきた中性子 リアリティの賛美(光)と絶望的光景(陰)の両極間を連続的に反転し続けるモーターのようなもの 言葉は空虚な事件であることを認める真犯人としての音楽家 見えない 夏の花 純粋な観測者なんてありえない (という現代物理学の常識…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#15

Der Menschen fragt so leicht, man möchte sagen, in seinem universellen Hochmut: Was habe ich vor den Tieren voraus ? われわれはあまりにも気楽に、 自分でも気づかないくらいの思い上がった気持ちで、 「人間はどの点で動物よりも優れているだろう?…

「コペンハーゲン」

遅い、遅れてきた中性子 リアリティの賛美(光)と絶望的光景(陰)の両極間を連続的に反転し続けるモーターのようなもの 言葉は空虚な事件であることを認める真犯人としての音楽家 見えない 夏の花 純粋な観測者なんてありえない (という現代物理学の常識…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#14

Und wir sehen auf die verschiedenen Tiere verteilt sozusagen dieses innerliche geistige Wirken, sehen es in den Geschicklichkeiten der einzelnen Arten hervor. そしてわれわれは、 動物の種類に応じて割り当てられたこの内的な靈の働きと言うべき…

驟雨(第二稿)

夏の雲の形をした激しい悲哀が 世界を包んだ すべて形無きものは虚しい あなたの悲しみには意味がある それは死せる都市に繁茂する 植物たちのように あなたの地下に埋もれた 祈りと欲望を 覆い隠してしてしまう *夜は その白い顔を 美しく隠す かえしたて…

夏(第二稿、「夏に寄せて」改題)

ベートーヴェンの謹厳な面持ちで目が醒める 夏の朝 饒舌な光 水蒸気の遠近法 ブルース・スケールを拾って歩く 雲の階梯 正午の影を踏む ヨハネス・ケプラーの頬笑み 逃げ水の涙は盬辛い 鸚鵡貝の唇 泥蝉の幼生 の老いた背中を割り 抜け出てくる 死美人の晴れ…

夏 (「夏に寄せて」改稿)

ベートーヴェンの謹厳な面持ちで目が醒める 夏の朝の偉大さ 水蒸気の遠近法 その饒舌な光 ブルース・スケールを拾って歩く 雲の階梯 ヨハネス・ケプラーの微笑み 正午の影を踏む 逃げ水の涙は盬辛い 鸚鵡貝の唇 泥蝉の幼生 の乾いた背中を割り 抜け出てくる …

声(第四稿)

「声がする。あなたの弟の血が大地からわたしに叫んでいる。」この一日に終わりは来ないだろう 陽は垂直に上昇し再び帰らないだろう 明け染める紅は東天の栄光を返上するだろう 日も月も年も円環の巡りを放棄するだろうもう肩車もできない ぼくは こどもたち…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#13

So sehen wir förmlich, was der Mensch im Kampf ums Dasein aus seiner Intelligenz herausfließen läßt, in aller Lebendigkeit aus dem tierischen Organismus heraussprießen. このように、 動物有機体が生み出すあらゆる生命活動、 そして、 それが人…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#12

Wenn er die Wespe das Wespennest aufbauen sieht, kann er sich sagen: da sehe ich gleichsam Intelligenz aus der tierischen Organisation heraussprießen. 彼が巣作りするスズメバチを見るとき、 彼はこう考えます。 動物有機体のなかから知性というべ…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#11

- Was so im Tiere wirkt und gleichartig ist dem, was sich sonst ausbreitet in Raum und Zeit, das bezeichnen sie im einzelnen tierischen Organismus als australischen Leib. このように動物において働いているもの、 本来的に空間と時間のなかに広…

ヒュポテシス(古伝梗概) 第三稿

詩が個人の肉体と同じくらいつつましやかで それにもかかわらず (人間の肉体同様に) 宇宙全体に匹敵するという 両極性を貫く一本の棒が私である繰り返し見てきた魚の夢 しかしどこか傷ついているらしく 魚たちが巨大化している 幾億万のキリストの群れ 私…

ヒュポテシス(古伝梗概) 第二稿

詩が個人の肉体と同じくらいつつましやかで それにもかかわらず (人間の肉体同様に) 宇宙全体に匹敵するという 両極性を貫く一本の棒が私である繰り返し見てきた魚の夢 しかしどこかが傷ついているらしく 魚たちが巨大化している 幾億万のキリストの群れ!…