アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

2017-01-01から1年間の記事一覧

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#35

In der Geisteswissenschaft liegen aber auch die Möglichkeiten, しかし靈学には、 以下のような可能性もあるのであります。 すなわち、die Erlebnisse des Alltags so zu gruppieren, 靈学は、 日常の諸経験を分類し、in Beziehung zu bringen, 関連づけ…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#34

So sehen wir, daß sich der Mensch in der Erhebung über das Leibliche etwas herausholt in bezug auf das Tiefste seines Wesens aus seiner Innerlichkeit selbst. つまり、 われわれにわかることは、 人間は、 身体性を超えた高い次元において、 自分…

文鳥 月の裏側を飛ぶ (第二稿)

人生には月の裏側のようなものがあって あらゆる「全体性」を保証している それがなければわれわれの生は戯画でしかない 日常の永遠に視ることのできない もうひとつの貌〈ヤヌス〉自己の 意識の 連続性を信じること 「それが詩を書くと言うことだ」 自己の…

万視塔

それは昨日、或いは今日未明というべきか。私は意味のない濃淡の中に薄明の意識を照射していた。そこに秩序が生まれ、暗い単色の映像になる。繰り返し繰り返し、緩慢な遠近法の蛇行する道を背中を見せて歩み去って行く人々の姿。進んで行ったのか、それとも…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#33

So haben wir den Schmerz im astralischen Leibe begriffen, このように、 痛みを、 アストラル体(との関連)において理解したわけでありますが、indem wir ihn als den Ausdruck für eine Ohnmacht des Ätherleibes gegenüber dem physischen Leib zu erf…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#32

Mann kann es im Feineren und im Gröberen spüren. 人間はそのことをより繊細にもより粗雑にも感じることができます。Wenn der Magen verdorben ist, 胃を悪くしたような場合にも、was heißt das anders, その(本来)意味するところは違っていて、als daß …

欲望(改稿#1)

S博士によれば 特定の欲望が特定の器官に関わるという なるほど 考えてみれば 脳の欲望 眼の欲望 脚の欲望もある 白日下の意識に意識化できないだけなのだ愛の欲望は心臓付近の器官に関係しているに違いない (高次の身体における)音楽は耳の欲望が生み出し…

天使病(推敲1)

1少しずつ読んでいる『二十歳の原点』が69年6月に近づいていく。山本太郎への言及を確認したい気持ちになって読み始めたのだが。4月16日の日記に山本の詩『かるちえ・じゃぽね』を讀んだ記述がある。『山本太郎詩全集』を買っておいてよかった。すぐ…

天使病

1少しずつ読んでいる『二十歳の原点』が69年6月に近づくのはつらい。山本太郎に関する言及を逐一洗い出したい気持ちで読み始めたのだが。4月16日の日記に山本の詩『かるちえ・じゃぽね』を讀んだ記述がある。『山本太郎詩全集』を買っておいてよかっ…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#31

Wenn wir das ernst nehmen können, was vorhin über den physischen Leib, Ätherleib und Astralleib ausgesprochen wurde, ここまでに述べた、 肉體、 エーテル体、 アストラル体に関することを真摯に受け止めることができれば、so können wir uns sagen: …

文鳥 月の裏側を飛ぶ(『スーパー・ムーン』改稿)

人生には月の裏側のようなものがあって 生の全体性を保証している それがなければわれわれの生が戯画でしかない 日常の永遠に視ることのできない もうひとつの貌自己の 意識の 連続性を信じること それが詩を書くと言うことだ 自己の存在を信じることは 自己…

天使論(第四稿)

1基督教グノーシスの一派はエデンの蛇にイエスを視たと言う。アナキスト・バクーニンは楽園の蛇=サタンこそが人類の解放者であると主張した。自由の霊は世界の全重量を背負う。自由はとこしえに背理のなかにある。「創造さるるや否や天使等の一部分は叛逆…

スーパー・ムーン

人生には月の裏側のようなものがあって その存在がわれわれの生の「全体性」を構成している それがなければわれわれの生が単なる戯画でしかなくなってしまう われわれの日常の永遠に見ることのできないもうひとつの貌自己の意識の連続性を信じること それが…

「神」二篇

神だれだねきみは? わたしは夕暮れにたたずむ男根神に出会ってしまった 彼は冬の美しい夕暮れに裸で立っているのだった それは私の〈自我〉だった *〈月経樹〉の冠が血を流している 神わたしは落ち着き払った氣違いである。自分が造物主であることを微塵も…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#30

Es ist ziemlich leicht, zu sagen: こう述べることは全く簡単です。 つまり、Wie kann man überhaupt von einer tierische Seele reden, da > den Begriff der Innerlichkeit in sich schließt, そもそも「魂」自体が内面の概念を伴っていると言うのに、 ど…

教會(最新の改稿)

夜 孤独者 戦場の犬たち 帰宅した傭兵を待つものは 雨の降り続けるテレビが一台われわれはどこにいても だれと一緒でも孤独だから あらゆる空間にテレビが現れる われわれの広場には巨大なテレビがあるわれわれは生まれつき傷ついているのだ 傷ついた犬のよ…

2月12日 メモ (煉獄靖国神社)

ぼくの詩の総統は既にこの世にはいない。今は煉獄で詩を書いている。悪に染まった総統は詩を書く習慣を捨てなかった。たとえその肉體が滅びても。それだけがかれの信仰=悪の証だから。かれとぼくとは地球の中心=宇宙の中心という中世的觀念で結びついてい…

2月12日 メモ2(煉獄靖国神社)

山本が煉獄山において出会うべき詩人はだれか? 真っ先に思い浮かぶのはやはり高野悦子だ。彼女は本来地獄にいてしかるべきであるが、キリストの地獄下りにおいて救済された一人なのだ。時代考証? 神の意識においては過去も未来もなく、すべてが現在である…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#29

Während die Spinne mit Sicherheit ihr Netz baut und es unsinnig wäre, ihr von Logik zu reden, 蜘蛛は確信をもって自らの巣を建設するのであって、 彼にとってその論理を語ることはナンセンスでしょう。muß sich der Mensch gar sehr bedenken, wenn er…

2017年2月3日 煉獄靖国神社 メモ(高野悦子)

煉獄での浄化を経て天国に上げられた高野悦子は再会した自転車の天使に受胎告知される。あなたが受胎される時が来たと。ダヴィンチの受胎告知のポーズで。 彼女こそが”聖処女”であった。自転車に乗った天使 「この世界ではすべてが逆なのです。聖処女は胎内…

煉獄靖国神社 − 詩の戦死者たち #2

やがて風の音は微かな音楽に変わる。 雄大なるクレッシェンド。 荘重なパイプオルガンの響き。 顔を上げ耳を傾ける山本太郎。山本「バッハ?」しかしそれも突然の破壊的な音波の波束に取って代わり終わる。 奏者が鍵盤上に突っ伏したらしい。声 ”So sprach e…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#28

Aber er hat es in der Betätigung, とは言え、 鷲は行動において魂的經驗をもつのであって、 in dem, was in seinen Organen lebt, was innerhalb seiner Organe zum Ausdruck kommt. そのなかに、 鷲の器官において生きるもの、 鷲の器官内部において現れ…

復活(第三稿・改)

白昼の屍は自らの力で復活する 降りしきる雨の中で あらゆる紙と文字を溶かしてしまう輝く雨の中で白昼の屍たちは自らの力で復活する䖝 苔生す 古代図書館の闇の中で 巨石の圧力を一身に引き受けながら霧深い クスコの山頂で 自らの心臓を鷲掴みにしながら屍…

復活(第二稿)

白昼の屍は自らの力で復活する 降りしきる雨の中で あらゆる紙と文字を溶かしてしまう輝く雨の中で 白昼の屍たちは自らの力で復活する苔生す古代図書館 巨岩の圧力の下で 霧深いクスコの山頂で 自らの心臓を鷲掴みにしながら 屍たちは自らの力で復活する 溢…

教會(最新の改稿)

夜 孤独者 戦場の犬たち 帰宅した傭兵を待つものは 雨の降り続けるテレビが一台われわれはどこにいても だれと一緒でも孤独だから あらゆる空間にテレビが現れる われわれの広場には巨大なテレビがあるわれわれは生まれつき傷ついているのだ 傷ついた犬のよ…

煉獄靖国神社 − 詩の戦死者たち #1

安心と不安を体現したような二人の男がローマ時代の扮装で現れる。 一人は必要以上に肉付きが良く、もう一人は必要以上に痩せている。 ダンテの言う煉獄である。 二人は「桂冠詩人殺人事件」という三文芝居のプロットを完成させるという罰を受けているのだ。…

煉獄靖国神社 − 詩の戦死者たち(草稿)

『第零幕 − 準備と梗概』安心と不安を体現したような二人の男がローマ時代の扮装で現れる。 一人は必要以上に肉付きが良く、もう一人は必要以上に痩せている。 ダンテの言う煉獄である。 二人は「桂冠詩人殺人事件」という三文芝居のプロットを完成させると…

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#27

Was aber eigene Auseinandersetzung ist mit dem Geist, das gehört nicht den Organen, しかし、 臓器に関わりの無い靈との交感もあり、das ist etwas, was der Mensch unabhängig von den Organen in seinen Ätherleib aufgenommen hat. それはエーテル体…

(「二」、「対」をテーマとする)初夢

二本の色の異なる円筒が重なって立っている(上下に等分に二色に分かれた一本の円筒のように)。暗闇に浮かび上がっていたのはそれらが微光を発していたせいかも知れない。私にはこれが初夢だという意識があって、その色彩を記憶するように努力したはずだっ…