人生には月の裏側のようなものがあって
あらゆる「全体性」を保証している
それがなければわれわれの生は戯画でしかない
日常の永遠に視ることのできない
もうひとつの貌〈ヤヌス〉
自己の
意識の
連続性を信じること
「それが詩を書くと言うことだ」
自己の存在を信じることは
自己の存在が照明されていることを知ることだ
意識できない
自己の
意識の連続性は
詩に〈絶えず〉照明されているのだ
月明かりが明るすぎる〈これがわたしなのか?〉
Dabeisein!
眠っている間に
聴き続けている音楽がある
それはどうしても思い出すことができない
ただ慰めの余韻だけが残る
それが自己のなかの神だ
白昼の光のなかで輝く
「死、天体の破片」 (吉増剛造)
*
「文体」という巨鳥の背中に乗り
飛翔!
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