アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#34

So sehen wir,
daß sich der Mensch in der Erhebung über das Leibliche etwas herausholt in bezug auf das Tiefste seines Wesens aus seiner Innerlichkeit selbst.
つまり、
われわれにわかることは、
人間は、
身体性を超えた高い次元において、
自分自身の内部から、
その本質の最も深いものに関して、
何かを掘り出すということなのであります。

Was sich der Mensch da herausholt,
das bezeichnen wir als sein eigentliches Ich.
ここで人間が掘り出すものを、
われわれはその人に固有の自我と呼ぶのであります。

Was er nicht vererbt,
人間が遺伝によっては伝えないもの、

was sich über den Verlauf des Gattungsmäßigen erhalten kann,
”属”の営みを超えて保ち続けることができるもの、

was er durch seine Individualität immer mehr ausbilden muß,
常に自分個人で築き上げ続けなければならないもの、

nennen wir gebunden an sein Ich.
それらを、
人間の自我に結びついているものとして、
われわれは呼称するのであります。

Das ist es,
それは、

was in das Menschendasein hineinkommen muß

- da es nicht durch die Vererbung gegeben werden kann -
(遺伝によっては与えることができないもので)

als von der menschlichen Individualität kommend,
人間の個から来るものとして、
人間存在のなかに入らなければならないものであり、

was mit der Geburt aus den geistigen Reichen ins Dasein tritt,
誕生とともに霊的世界から存在に参入するものであり、

was nach erfolgtem Tode dem Geistigen wieder zurückgegeben wird.
来たる死の後には再び霊に返されるものなのであります。

Wir reden deshalb von einem von Leben zu Leben durch immer wiederkehrendes Dasein gehenden menschlichen Wesenkern,
したがって、
われわれは、
生から生へと何度も繰り返される存在の一つに関して、
生きていく人間的本質の核を、
語ることになるのであります。

weil wir ihn im unmittelbaren Dasein erfassen können,
wenn wir das Leben nur vorurteilslos betrachten.
この核は、
われわれが、
生をなんらの偏見にとらわれることなく観察する場合にのみ、
直接的存在において把握することが可能になるのではありますが。

Ich habe heute in einer Art versucht,
今日、
私は、
ある種のやり方で、

aus der unmittelbaren Erfahrung einen kleinen Hinweis auf das zu geben,
直接の經驗から以下の問題についてのささやかな指針を述べるべく務めました。

was es begründet,
daß man im Menschen von einer Wesenheit sprechen kann,
die nicht vererbt ist,
sondern die von ganz anderer Seite her in das Menschenleben eintritt,
それは、
遺伝によるものではなく、
それとは全く異なる面から人間に参入してくるある本質について、
われわれが語りうるのだということにもとづいていて、

und die wieder,
wenn der Mensch das,
was in ihm vererbt ist,
mit dem Tode aufgelöst sieht,
nach dem Tode in ein anderes,
geistiges Dasein eintreten kann.
そしてその本質とは、
人間が遺伝によって与えられたものが死とともに解消されることが見られる際にも、
それとは別に、
再び霊的な存在へと帰って行くことができるものなのであります。

Ich habe das in einer Weise heute gezeigt,
本日、
私は、
ある種のやり方で、
以下のような内容を示したのであります。
即ち、

wie es,

wenn weitere Voraussetzungen der Geisteswissenschaft gemacht worden sind,
靈学の大前提が受け入れられていさえすれば、

im Grunde genommen nicht mehr gezeigt zu werden braucht,
元来示す必要もないことについて、

weil die Geistesforschung auf der unmittelbaren Anschauung fußt
und noch von ganz anderer Seite her die Beweise und Belege für das bringen kann,
靈学研究が直接的な観照に基づいて、
(通常とは)全く異なる側面から、
証拠や典拠を引き出してくる一方で、

was heute aus dem unmittelbaren Erleben des Alltags heraus veranschaulicht werden sollte.
今日では、
それは、
直接の日常の經驗から、
例証すべきなのであるということであります。