アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

熱心党

熱心党 Zealot [ゼロデ党とも呼ばれる]

ゼロデ党の歴史的発生の時期は、ヘロデの息子アケラオの暴政下、パリサイ人ザドクと協力してローマに叛逆し暴動を起こしたガリラヤ人ユダの指導のもとに(行伝5:37)、紀元6年に創設されたものと考えられている。これは単にユダヤ国家主義の激烈さによるいわゆる政治的動機だけによるものではなく、深い宗教的確信によるものであった。

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したがって、この「熱心さ」は藭ヤハウエのみを主権者とする神政政治を妨げるすべてのものに対して抵抗し、必要とするならば死を賭しても闘うという責任的行為なのであった。

だから、それは単にローマの圧政と暴虐に対する戦いを通じての自由と独立の獲得のみが目ざされたのではなく、ローマの体制に癒着しているユダヤ内部の権力者層との執拗な戦いをも意味していた。

エスの十二弟子のうち、このゼロデ党の党員であるか、またはかつて所属していたものとして、前記のシモンのほか、イスカリオテラテン語sicarii(刺客)からの由来?〕のユダ、バルヨナ〔アッカド語baranu(暴力主義者)〕、「雷の子」と呼ばれたヤコブヨハネがあげられる。

(大竹庸悦)新聖書大辞典(キリスト新聞社、1971年初版、1982年第五版)