本来の増補 ー それも単に証明法という点においてだが ー を挙げるとすれば、
それは心理学的観念論に対する新たな論駁によっておこなったものと、
[上巻304頁で]、
外的直観の客観的実在性に関する厳密な(思うにまた、唯一可能な)証明によっておこなったものである。
観念論は形而上学本来の目的という点では、
まだまだ罪のないもの(実際にはそうではないのだが)と見なされるかもしれない。
だが観念論は、
われわれの外にある物(われわれは認識の全素材を、しかも内的感覚の素材さえをも、そこから得るのである)が現実に存在することを、
ただそう信じて想定しなければならないとし、
またそのような現実存在を疑うものがいても、
彼に満足な反対証明はできない、
とする。
それは、
哲学と一般的な人間理性のスキャンダルであることに変わりはない。