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目的にかなって生じたように見えるものも、
すべて偶然にそうなったので、
もともとそのように生成するのが偶然の運命だったものが、
一度そうなった状態で維持されているということなのか。
これはとくにエンペドクレスが強調した考えで、
それによると、
世界がはじめて生成したときには、
そこに無数の怪物が、
たとえば、
動物の形をした人間や、
さまざまな動物の形をまぜあわせた怪物などがいて、
それらのあるものは(もともと保存に適した種ではなかったために)
自己を保存できず消滅していき、
目的にかなったもの同士が共同の世界を作り上げた・・・。
☆
アリストテレスは、
このような考えは成立不可能だと反論します・・・。
・・・ものごとが偶然に形成されると考える人は、
自然や自然物を廃棄することになる。
なぜなら、
自然は内部に原理をもち、
自分を動かし、
ー 自分の目的に到達するものだから。
ここには真の自然概念が見られます。
ある事物の自然(本性)とは自己同一の一般的なものであり、
それが自己からつきはなされ、
べつのものとして実現され、
再生される。
が、
実現されたものは、
それとして根底におかれた目的ないし類一般であり、
実現される以前からそこに可能性としてあったのです。
(長谷川宏訳ヘーゲル”哲学史講義・中”、B、アリストテレスの哲学、二、自然哲学。河出書房新社1994年2月20日再版)
「エンペドクレス的偶然世界」
http://t.co/KiZjvpRIKy 世界がはじめて生成したときには、 そこに無数の怪物が、 たとえば、動物の形をした人間や、 さまざまな動物の形をまぜあわせた怪物などがいて」魚の頭の人間とか。ラヴクラフトの先輩としてのエンペドクレス(笑)。
— armchair anthroposop (@longtonelongton) 2014, 7月 22