ここには真の自然概念が見られます。
ある事物の自然(本性)とは自己同一の一般的なものであり、
それが自己からつきはなされ、
べつのものとして実現され、
再生される。
が、
実現されたものは、
それとして根底におかれた目的ないし類一般であり、
実現される以前からそこに可能性としてあったのです。
人間が人間をうむとき、
うみだされたものはうみだすものでもあり、
ー産物は生産力をもっている。
真理とは、
自分を実現するとき、
実現体と概念とが一致することであり、
ここで概念とはうみだす力をもつことです。
自然物は自己内に自己目的をもつものと見なされるべきで、
観念的な統一体として前提された理念が自己を動かすのです。
生物の自然(本性)は、
自己のうちに根源的な本質をもち、
それにしたがって活動することにあるので、
その活動から生まれた次代の生物は、
今度はまたつぎの世代にたいして先行するものとなり、
ーこうして、
生物は自分自身だけをうみだすのです。