アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

「泊3号機、営業運転を再開」とマタイ伝

高名な古武道の達人が、ツイッターで、原発推進派の気持ちがどうしても理解できないと嘆いていた。私も全く同じ気持ちだ。常人を凌駕する生命感覚・身体感覚を所有する古武道家が感じる危機感の的確さは、われわれの想像を絶するものがあるに違いないので、脱原発派の現状認識はその意味でも肯定されたのである。原発推進派は、身体も鈍っているのかも知れない。もともと生命に関心が無いのかも知れない。子供にも関心が無いのだろう。他人が苦しんでも、何も感じない。他人に危機が及んでも、関係がない。マタイ伝にある「毒麦」というのは、こういう人のことかも知れないと考える誘惑に抗しきれない。皆が寝静まっている間に敵が蒔いていった毒麦の種は、良い麦と一緒に育ちきるまでは放っておかれるのだ。刈り入れ前に抜くと、良い麦まで一緒に抜いてしまう可能性があるので。イエスは、説明を迫る弟子達に、このたとえの意味を説く。敵とは、悪魔のことである。刈り入れは世の終わりのことだ。原発事故によって、毒麦と良い麦の区別がはっきりしたのかも知れない。しかし、だとすれば、われわれは、世の終わりまで、この手の人物との闘いを続ける必要があるらしい。
最近、高橋巖訳・シュタイナーコレクション5「イエスを語る」をガイドブックにして、マタイ伝を読み直したせいで、こんなことを考えてしまった。きっと、色々な人に叱られるだろう。しかし、そうとでも考えるしか、この深い断絶を納得することができない。私は、中世の異端審問官のような人間かも知れない。

イエスを語る (シュタイナーコレクション)

イエスを語る (シュタイナーコレクション)


_______以下貼り付け開始______

泊3号機、営業運転を再開 再稼働問題、波及限定的か
2011年8月17日 18時17分
 北海道電力泊原子力発電所3号機(右端)=2009年12月、北海道泊村(北海道電力提供)

 経済産業省原子力安全・保安院は17日午後、定期検査の調整運転が長期化していた泊原発3号機(北海道泊村)の営業運転再開を高橋はるみ知事が容認したのを受け、検査終了証を北海道電力に交付した。3号機は福島第1原発事故後、全国初となる営業運転を再開した。
 経産省は停止している原発の再稼働への第一歩としたい考えだが、発電を続けてきた3号機と停止原発とは状況が異なり、再稼働問題への波及は限定的とみられる。
 検査終了証の交付に先立ち、高橋知事は会見で営業運転再開について「異議はない」と容認を表明。「国には、安全対策に万全を期し、丁寧に対応するよう強く求める」と指摘した。
(共同)
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