2013-07-24から1日間の記事一覧
四世紀までは『エノク書』は正典に含まれていて、ユダヤ人や初期教会の基督教徒たちにはよく知られていた。基督教の観念でまず『エノク書』中にあらわれたものは少なくない。「人の子」が「選まれし者」となって終末の日に審問者になるという観念もそうであ…
ヴァザーリがその『芸術家列伝』(二版、1568年)の序文に痛烈な皮肉をこめて書いているとおり、キリスト教は、激しく、 また油断無く、 あらゆる罪のしるしの破壊と根絶に精を出し、 そのために、 卓越した彫像・・・・ 〔や〕無数の記念物、 碑銘など、 古…
二、三世紀のギリシャ化されたアレクサンドリアの弁神論者たちは、 特に善でも悪でも無かったプラトン流のデーモンを堕落した悪の天使だと解釈している。 彼等がそうしたのは、 異教の神々=邪悪なデーモン=悪鬼という新しい等式をつくりたかったからである…
悪魔には歷史がない。多くの仮面を持つが、顔無き仮面、それが彼の本質である。今日でもたとえばローマ教皇庁のラッツインガー枢機卿などは、 「キリスト教徒にとって悪魔は神秘的ではあるが、 リアルかつ個を持つものであり、 単に象徴的という存在ではない…