アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

ヨーロッパ近代文明というのは、その擁護者たちの主張通り、本當に「普遍的」で「自由」なのか? 

梁啓超漱石タゴールのような思想家にとって、西洋の挑戦は実存的問題であるばかりか地政学的問題でもあった。昔ながらの方法と西洋が提示する新しい方法の、長所短所は何なのか? さらにはヨーロッパ近代文明というのは、その擁護者たちの主張通り、本當に「普遍的」で「自由」なのか? 有色人種を差別するものではないのか? わが國の存在と存續を脅かす西洋諸国からの考え方を輸入しているわが国、われわれはそんな母国に忠実であることができるだろうか? そしてわれわれは国家というものをどう定義したらよいのだろうか?

パンカジ・ミシュラ「アジア再興 ー帝国主義に挑んだ志士たち」第一章「隷属するアジア」(園部哲訳、白水社、2014年10月発行)