アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

猫を失う夢

私は猫(実際に飼っている)を抱いて、(夢でいつもしているように)知らない街をさまよっている。北千住のような気がする。土手の向こうは川で、私は土手の下を歩く。土手の下の道を振り返ると、廃れたバラックのようなものが重なって、門のようになっており、一部が開いて、私はそこを通り過ぎてきたはずだが、記憶に無い。私は裏街に入ったらしい。そこは、すでに、家々の込み入った路地で、私は道では無く、傷んだ板がつぎはぎになって、下の水面の上に渡されている、その上に乗っている。水のなかには、生き物たちが蠢いている。それほど深くは無いが、水は暗く、なんとか底まで見える。水底に大きなウミヘビのような、ウツボのようなものがいる。それがゆっくり身を翻して姿を現す。怖ろしい。こどもが落ちたら食べられてしまうだろう。私はまた土手の道に戻ったようだ。そこで抱いていた猫がいなくなった。もう見つけることはできないと諦めたところで目が醒めた。

繰り返し繰り返し見る、水と魚の夢。魚が怖ろしいものになり、(おそらく)いつも気にかけているこどもが猫になり、しかも、わたしは猫を見失ってしまう。