アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

ヘーゲル「哲學史講義 中巻」A.プラトンの哲学、三.精神の哲学

(結語)

プラトンの哲学は、
以後、
二段階にわたって形をととのえられ、
より高い原理へと仕上げられます。

(α)理性のうちにある普遍的なものが分裂し、
強力この上ない無限の対立をもたらし、
個の意識がそれだけで自立するにいたります。

かくて、
アカデメイアでは自己意識が自分にかえってきて、
一種の懐疑主義がうまれる。
 ー すべての普遍的真理をつきくずす否定的な理性は、
自己意識と普遍的なものを統一できず、
自己意識に固執します。

(β)新プラトン派は普遍的なものを回復し、
自己意識と絶対的実在を統一します。
かれらにとって、
藭は理性のうちに直接に現在し、
 ー 理性的な認識そのものが藭の精神であり、
その内容は藭の本質です。

以上の二つについてはのちにとりあげます。