アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

「時間と空間は感性的直観の形式にすぎず、 したがって現象としての物が実際に存在するための条件にすぎない」カント

時間と空間は感性的直観の形式にすぎず、
したがって現象としての物が実際に存在するための条件にすぎない。

われわれは、
対応する直観が与えられうるかぎりでしか、
知性概念をもちあわせていない。

したがって、
それを超えて物を認識するどのようなエレメントをももちあわせていない。

それゆえ、
われわれは物それ自体としての対象に関しては認識を得ることができず、
対象が感性的直観の客体であるかぎりでのみ、
すなわち現象としての対象に関してのみ、
認識を得ることができるのである。

これらのことは、
批判の分析的部分で証明される。

  イマヌエル・カント純粋理性批判 上」第二版の序文
 (石川文康訳 筑摩書房 2014年3月5日初版第一刷)