謙虚な肉体から不思議に筋肉が落ちていく
私の肉体は昇天を希んでいるのか?
神曲を鞄に入れて春の世界に出て行こう
かくてあらゆる實在の合理性てふ命題はヘーゲルの思惟方法の一切の法則に従つて或る別な命題に転化する。即ちそれは存立するものは總て滅亡に値するといふ命題である。
ひばりは見えない塔を昇って行く
街路樹の影
散乱する冬の骨格
道の記憶を反芻する
無数の交通
それからバスは瓦斯会社の前で停まつた。
大きなガスタンクの黝んだ面に、
原爆の光線の跡が一つの白い梯子の影となつて残つてゐる。
そのとき見えない梯子を昇って行った者は誰か?
神は罪を犯した天使たちを容赦せず、
暗闇という縄で縛って地獄に引き渡し、
裁きのために閉じ込めました。
遠く感覚の地平線に起こる嵐よ!
滅びに至る迷いの中に全てがある
良心の聲とは傷つけられた者の復讐の叫びの反響なのだ。
ひばりは見えない塔を昇っていく
感覚の嵐の中で黝んで行く梯子の影
不可視の光線が途絶する天使たちの交通
わが犯罪歴は密やかに更新される