アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

「水ヲ下サイ」

「水ヲ下サイ」。原民喜は戦後間もなく、広島で開かれたペンクラブの会合の後、自分に回ってきた寄せ書きに思わず書いたと言う。今の自分にとっての詩が、その水なのだと思う。本当は死にかかっているのに、それに気がつかないのが人間というものだ。しかし、”無意識”は当然、それを識っています。ぼくにとっての詩の断絶も、栄光も、すべてはその一点にある。「水ヲ下サイ」。