アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

ケネディ電気にて

それは光が退却した世界から飛び立つ大きな鳥のようでもあり
喀血しながら暗い夜空を横切っていく巨大な槍のようでもあった
その威容はフォン・ブラウン博士の男根のようにわれわれを威圧した

それはこの世を支配する者
かの空中に勢力を持つ者
すなわち不従順な者たちの内に今も働く霊たちを
撃墜する
垂直に溶接された無数のドラム缶
はげ落ちたペンキと赤錆
正確な円錐の先端をもつ
弾道体の群れ

天使たちが重い翼を引き摺りながら歩く
感覚の届かない世界に
それは突然現れる
腐食と衰退を養分に育つ
ヘカトンケイロス
長い影をひく槍をかざし
放て!

そして権力の傷口から漏れ出す時間のピアニッシモは赤く
手書きされた聖なる言語の翼を切り落とす

グーテンベルク
成田国際空港は今日も物理的に晴天である