アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

「魂の城」エックハルト 

見なさい、
神が一にして単純であってこそ、
わたしが魂の城と呼ぶこの一なるものの内へ神は入り来たるのである。

それ以外には神がこの内へと入り来る仕方はない。

ただそのようにしてのみ神はその内へと来たり、
その内にある。

その点においてだけ魂は神と等しいのであって、
その他は等しいとはいえない。

わたしがあなたがたに話したことは真実である。
これを証するためにわたしはあなた方の前に真理を証人として立て、
わたしの魂をその担保にさし出そう。

どうかわたしたちが、
そのようにひとつの「城」となり、
そこにイエスが登り来たり、
迎え入れられ、
そしてわたしたちのうちに、
わたしが語った仕方で永遠にとどまるよう、
神がわたしたちを助けてくださるように。
アーメン。

エックハルト説教集[説教2]”魂の内にあるひとつの力について”
   (ルカによる福音書第十章第三十八節)
     (田島照久編訳 岩波文庫1990年6月発行)