アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

ユディト記10.19、13.6−9、16.17 「ホロフェルネスの首」

彼等は、ユディトの美しさに驚き、また彼女ゆえにイスラエル人に驚いて、口々に隣の者に言った。「これほどの女たちのいる民を、だれが侮れよう。彼らを一人でも生かしておくのはまずい。ほうっておけば世界中を籠絡するに違いない。」

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彼女は、ホロフェルネスの枕もとの、寝台の支柱に歩み寄り、そこにあった彼の短剣を抜き取った。そして、寝台に近づくと彼の髪をつかみ、「イスラエルの神なる主よ、今こそ、わたしに力をお与え下さい」と祈って、力いっぱい、二度、首に切りつけた。すると、頭は体から切り離された。ユディトは体の方を寝台から転がし、天蓋の垂れ絹を柱から取り外した。そして猶予せずに外へ出て、侍女にホロフェルネスの首を手渡すと、侍女はそれを食糧を入れる袋にほうり込んだ。そして二人は、いつものとおり祈りに行くかのようにして出ていった。

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わが民に逆らって立つ国は不幸である。
全能の主は、裁きの日に彼らを罰して
その体に火と蛆とを与え、
彼らは痛みのため、永遠に泣くことになる。

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旧約聖書におけるユダヤの民族神としてのJehovah。このような古代的民族意識・国家意識は、現代のキリスト教ー、特にユダヤ教の影響圏のなかで、果たして完全に克服されているのだろうか。