アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

時間飛行者

311以後、時間の流れが変わってしまった。それは必ずしも悪いことではない。個人的な時間の流れよりも歴史的な時間の流れの方が存在感を増してきた。だから、個人としての人生がそのまま歴史のなかで感じられるし、何よりも書物(テキスト)の発する輝きが全く変わった。テキストからの発光が感じられるようになった。世界の人々が光芒を引きずりながら、一心に飛行している姿が見えるようになった。

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大きな感情
大きな感情が歯を立てて世界をガリガリ囓っている
誰も受け止めることのできない大きな感情が
それは個々の肉体を破壊して進むだろう
肉体は感情を裏切るだろう

球体や空間の広がり
あらゆる幾何学的プログラムを引き裂きながら
絶え間ない星々の自傷行為

王女の舌が
王の松明の下で燃える
ロゴスを生け贄に

世界の心臓から赤い言葉があふれ出す
私は十字架上の童子である