アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

世の終わりの日に ーマヤ歴に寄せて

夜のはらわたがぶちまけられた
腹蔵なく悪魔は語る
自己中心帝国万歳!
万歳!
万歳!

脳味噌は雲丹の味わい
塩辛を召し上がれ

天明の飢饉
腰だめの火縄銃が火を噴いた

山姥は倒れ
湯気を立てる赤子が産み落とされ

悪魔は
春を待つことができない

自己中心帝国
万歳!
万歳!
万歳!

その国は北方にあり
記憶の河が流れ

ヨハネBのバプテスマ
凍死体の山を築く

認識の塔を見よ!
幽閉されし姫に
若い心と
閉じた月経
を祝う
赤い月

帝国の庭園には精子の噴水が
花のワルツを踊る
ニンフたちを誘う

増殖し続ける
捕縛者たち
単性生殖のオナニストどもめ!

私はカイツブリよろしく
記憶の河に潜水を試みるが

銀河の岸辺で
ヨハネBの荒縄を拾い
皇帝は
明けの明星の
光輝の釘に
栄光に包まれ
縊死体を吊す