アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

学生に怒る夢

黒っぽい、暗い視界の夢。
学生、夢の中では既知の人物だが、醒めてみると、実在の人では無い。彼は私のところで研究している。私は激しく怒り、彼と言い合いをしている。私は彼を投げ飛ばしたかも知れない。地面の下の方からの(おそらく卑屈な)視線で、私の実験結果を疑うようなことを言う。私は「あの論文を読んでいないのか、あの結果を出すまで、どれだけ苦労したか!」と、大声で怒りをぶつけた。これは、実際に私が書いた論文で、夢のなかでもその論文のことを言っている。彼は「その論文を渡してくれなかったじゃ無いか」と反論した。私は内心、「え、そうだったかな」と思うのだが、「そんなものは、自分で見つけろ!」と怒鳴る。目醒めてから考えるに、私が彼に渡した別の論文には当然、問題の論文は引用されているはずなので、私の夢の中の言は、理不尽では無かったと思う。

 ☆

今、あまり体力を使わない、しかし、やたらと時間ばかりかかる実験・測定をしている。体力を使わないと、働いていないような後ろめたさがある。今の体制下では特に、性急な成果が求められるので、このようなことをやっていていいのか、葛藤もある。早く論文を書くべきだ。その辺の心理が出ているのか。夢の中で激怒することは、初めてでは無い。現実世界で、怒るべきときに怒りを抑えることは多いので、それがこう言う形で地下水脈を通り、噴出するのだ。実際に言い合いになった学生は、記憶を辿ると二人だけで、二人とも、アメリカ人だった。日本の学生はおとなしすぎるかも知れない。