アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

ミュンツアーとルター

あくどいパンフレット「農民の殺人・強盗団に抗して」を書いて、諸侯側に荷担したルターは、反乱軍の敗北を、悪魔に対する神の勝利だと見、ミュンツアーが民衆を誘惑したことの証拠だと考えた。ルターは、絞め殺し、刺し殺し、残酷な仕打ちによって天国を得よと呼びかけた。これが、1517年に始まって、極めて前途を祝福されたかに見えた一つの道程がたどり着いたなれの果てであった。
   「トーマス・ミュンツアー ードイツ農民戦争と革命の神学ー」
    マンフレート・ベンジング 田中真造訳(未来社・1981年改訳版第一刷)