アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

馬可傳を読む

衆人と其弟子を共に召びて彼等に曰けるは若し我に従はんと欲ふ者は己を棄その十字架を負て我に従へ。そは生命を全うせんとする者は之を喪ひ我ため且福音の爲に生命を喪ふ者は之を得べければ也。もし人全世界を得とも其生命を喪はば何の益あらん呼。また人何をもて其生命に易んや。姦悪なる此世に於て我と我道(わがことば)を耻る者をば人の子も亦聖使と共に父の栄光をもて來る時之を耻べし。                                      (馬可傳第八章第三十四〜三十八節)

基督教の信仰は命がけであり、殉教も、抵抗も、叛乱も、其の教え、思想の発露であった。その根拠を福音書のなかに探して行きます。