アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

岩波版ギリシャ悲劇全集を読み始めた

コロス:来てくれ、ここに。土地の皆の衆、来てくれ。国が、我々の国が暴力で踏みにじられるぞ。助けに来てくれ。

アンティゴネー:あれ、ひどい、曵きずって行くなんて。ああ、皆さん、助けて。

コロス:やい、よそ者、お前は何たる厚かましい気持ちでやってきたことか、そんなことを、しおおせると思っているとしたら。

クレオーン:思っているとも。

コロス:それではもう、この国は国ではなくなる。

ソポクレース:コローノスのオイディプース)

shirai motoo ‏@motonosuke0328
『戦争がはじまる 福島菊次郎全仕事集』より。大量の書類が保管された棚を背景に解説がある。<ABCCは1000名の研究者をもつペンタゴン直属…年2回の強制検診のほか、被爆者が死亡すると遺体を提供させ、1948年からの2年間だけでも5592体を解剖したがいっさい治療はせず…>

【読書メモ】岩波版ギリシャ悲劇全集3・ソポクレース I (1オイディプース王、2コローノスのオイディプース、3アンティゴネー)特に1、2は圧倒的だった。古代ギリシャの人々が鮮明に見えるような気がした。端的に面白いです。1で破滅したオイディプースが2で救済される。すごい話ですね。

破滅したはずのオイディプースが、生き延びて、運命に反撃し、勝利する。これはすごい話だ。西洋的?(井筒俊彦的にはギリシャは東洋ですか?)な不屈の魂の話でもある。魂の次元においては、人間は不屈であり得るのか! 話は飛びますが、キリシタン殉教のこととどこかで結びつく気がしてきました。

ソポクレースによる悲劇「オイディプース」。人智学的に解釈しようとすると、カルマ論の話になるのかもしれないが、教条主義的に型にはめて物事を考えるのは、シュタイナーの最も忌み嫌った態度でもある。そんなことはまずは放っておいて、物語に没入することだと思う。

armchair anthroposop ‏@longtonelongton
「岩波版ギリシャ悲劇全集を読み始めた」 http://d.hatena.ne.jp/longtonelongtone/20120917/1347852723 … 現代のわれわれの話ではないか! 神々と人間。運命と人間。それだけではなく、戦争論、国家論でもある。端的に面白いです。翻訳がいいんですね。岩波は文庫に入れてるのかな。入れるべきですね。