我々は、これまで、生産用具から出発した。
そして、すでにここでも、一定の産業段階にとっての私的所有の必然性が示された。
抽出産業においては、私的所有はまだ全く労働と合致している。
小工業およびすべての従来の農業においては、所有は、現に存する生産用具の必然的帰結である。
大工業において、生産用具と私的所有の矛盾が初めてその産物となるのであるが、その産出のためには大工業がすでに著しく発達していなければならない。
したがって、私的所有の止揚もまた、大工業とともに初めて可能となるのである。
カール・マルクス:フォイエルバッハ「ドイッチェ・イデオロギー」第一部 ー唯物論的見解と観念論的見解との対立ー B イデオロギーの現実的基礎 3.自然発生的および文明的諸生産用具と諸所有形態: 岡崎次郎訳(河出書房・世界大思想全集・昭和二十九年発行)より
生産用具を私的に所有することの矛盾が、出現した大工業においてはじめて露わになる、とマルクスは言う。共産主義のアイデアのよってきたる所以が明らかにされていくようです(ここで、抽出産業とは何かが、良く分かりません)。ゆっくり読んでいきます。