アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

ネオ大化改新 ー 班田収受とは土地の国有化とベーシックインカムの保証であった

    1

土地の売買を禁止し
すべての土地所有者は土地使用者になり
使用料を国家に納める
それが
ベーシックインカムに回される

見かけ上は
何も変わらない
今まで通りである

しかし
遊休地の所有者は土地を手放すであろう
土地は再び国民の共有に復帰するであろう
それらの土地を
農業する者には必要なだけ無料貸与する
それ以上の拡張には使用料を課す
彼が死んだとき
その子供がその土地を使うこと・借りることは優先しよう
「相続者」がいなければ
その土地は再び国家に返される

優れた農地は
その良さに応じて
使用料も設定されるであろう
これは一例であるが
都市における商用地にも
同様の考え方は適用できる

われらは
子供
子孫のためを考えて努力する
伝統と文化を重んずる
それを廃絶するような制度は間違いである
たとえば
「老舗」はわれらの財産である
「老舗」の伝統と文化が存続できる制度でなければ
それはわれらの精神に反する

なぜなら
これはネオ大化改新なのだから
古代日本
聖徳太子の進取の精神の下に
すべての土地を朝廷(国家)の管理下に置き
六歳の子どもは班田を支給された

これは
その精神において
おそらく世界で最初のベーシックインカム国家が
わが日本国であったことを示す

われらはその伝統を誇りに思い
現代にふさわしい姿で再生しようとしているに過ぎない

     2

聖徳太子という人物が実在したかどうか
それは大きな問題ではない
聖徳太子が体現する
思想が実在したことが重要なのだ
その思想が日本の文化・伝統を育み
花開かせ
果実を実らせてきた事実が重要なのだ

聖徳太子を否定したい気持ちは分かる
それは日本の皇室に関わる問題だから
民族の歴史に関わる問題だから
民族を否定したい気持ちが
戦後日本の言論を支配していた

しかし
自らの民族
伝統
文化の自覚と
知識なしに
他民族を尊重することが出来るのか
異なる文化を理解することが出来るのか

それは
自分の個性を尊重できない人間が
他者の人間性を尊ぶことが出来ないことと
同じことである

真のインターナショナリズム
民族主義の土壌からしか育ち得ない

この認識が
ワンワールドなる
虚妄のグローバリズムとは
決定的に異なる点である

ワンワールド思想にとっての勝利とは
個々の人間を
唯物論の奴隷にすることである

人間が
その個の根拠
霊を見失うように
文化的誘導が進む

人間とは
精神とは
単なる
脳内の
物理化学的現象に過ぎない
脳神経
シナプス回路に明滅する
はかないシグナル
クオリアの集積に過ぎない
そう主張する
素朴唯物論者こそが
知ってか知らずか
彼らのために働き
その見返りを受ける
それが今の日本の精神状況ではないか

それは
仏教を熱烈に受け入れ
わずか百年足らずの間に自家薬籠中のものにしてしまった
聖徳太子の同時代人たちの
優れた霊的感受性とは
対極に位置する

当時
中国人勢力と結託し
朝廷を乗っ取ろうとした
蘇我氏の亡霊が
今もうろついている
小泉純一郎竹中平蔵
野田・前原に代表される
対米隷属勢力である

中大兄皇子に習えば
テロを決行する方向である
しかしそれが有効なほど
現代の政治は単純明朗ではない

我らはむしろ
聖徳太子の遺徳を尊び
文明の改新に向かうであろう

     3

歴史とは民族の思い出である
それは文化に陰影を与え
その古き泉から
新しい水があふれ出す

われらは新しき水を杯に受け
躊躇無く飲み干すであろう