アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

「秘教的修行の手引き:エソテリックスクールより」 主要課題(1906年10月)その3

前回の続きです。

主要課題(3)
    (明治三十九年十月)

 「それが思考する」における”それ”とは、われわれの言葉のなかに個人を超えた力として生きている、普遍的な宇宙の思考力を意味している。「彼女が感覚する」における”彼女”とは、宇宙の魂を意味している。すなわち、宇宙の魂が没個人的であることと同じ意味で、われわれは、個人的にではなく、没個人的に感覚すべきなのである。「彼が意志する」における”彼”とは、神を意味し、その意志のなかに、われわれの存在のすべてが組み込まれている。
 これら四つの呼吸法の実践において、神秘学徒はしばし、純一のイメージのみで意識を満たし、そのなかに完全に没入し、魂にそれ以外のいかなるものも存在しないようにすること。
 (エソテリック・スクールにおいて)このイメージは、個々の学徒の個性に応じて、ルドルフ・シュタイナーが個別的に与えていた。例えば、

”私の力”
”私のなかの私”
”私は意志する”
”私は不動である”
”力のなかの静けさ、静けさのなかの力”
”魂の熱が私全体を満たす”
等々。

 次に、五分の間、われわれ自身の神聖な理想のなかに、完全に没入する。この課題は、これ以上無いような帰依と畏敬の感情をもって実行されなければならない。
 瞑想全体でも十五分以上続ける必要は無い。ここで指示した時間に関しては、時計ではなく、感覚に頼れば良い。姿勢は、それ自体が集中力の妨げになるような(例えば、その姿勢が疲労を招くような)もので無いように注意する。

先にあげたマントラをより個人化された形で以下に述べておく。

純粋な光の溢れ出るなかに
世界の神性が輝いている。
純粋なエーテルの火炎のなかに
”私”であることの高貴な力が輝いている。
私は世界霊のなかで憩う。
永遠なる世界霊のなかに
私はいつでも自分自身を見出すであろう。

In den reinen Strahlen des Lichtes
Erglänzt die Gottheit der Welt.
In dem reinen Feuer des Äthers
Erstrahlt der Ichheit hohe Kraft.
Ich ruhe im Geiste der Welt,
Ich werde mich immer finden
Im ewigen Geiste der Welt.