アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

燃料棒の水位は今どのくらいなのか?

福島第一原発3号機(プルサーマル炉、猛毒のプルトニウムを含むMOX燃料を使用中)で圧力が上がり、その後安定したと云うが、初期の報道にあった燃料棒の水位と、圧力の具体的な数値が報道されなくなって久しい。格納プールの問題に焦点が移って、そちらは全く報道されない。御用記者クラブのせいで、国民には必要な情報が与えられない。三号炉で圧力が上がった今日の午後、私は自転車で買い物に出ていて、4時過ぎに帰宅してから知ったのだが、弁を開いて空中に圧力を逃す、つまり、放射能汚染されたガスを放出する可能性が検討されていたという。福島第一原発まで8kmの地点まで近づいたという副島隆彦の突撃レポートによれば、現地に残っている年寄りなどもいるらしい。少なくとも、近くに残った人びとは非常に危険であろう。NHKの報道では、ヨウ素放射性同位体の話ばかりで、プルトニウムのプの字も出ない。NHKは真実を報道しない。
事故初期の頃は正直に心配されていた格納炉の破壊の可能性が未だ除去されてはいないようだ。燃料棒がどこまで溶け出しているのか。燃料棒が溶けていなければ、制御棒も安泰のはずで、その働きによって中性子線は押さえ込まれ、核分裂反応は起きない。しかし、ウラン燃料が水冷されない場合、放射性同位元素としての自然崩壊による発熱(これを冷却するために現在必死の努力がなされている)のために溶け出して、炉の下方に貯まり、それが濃度として3.8%(燃料棒ウラン濃度)程度になると、教科書的には再び核分裂反応を引き起こす可能性はある。この現象は、実は、自然界においてもかつて発生したことがあり、自然原子炉(Natural Nuclear Reactor)として知られていて、約200万年ほど前、西アフリカ・ギボンにおいて発生し、自然に燃え尽きるまで数10万年かかったと信じられている。話が逸れてしまったが、時間が経つにつれて、燃料棒の温度も下がり、このような再臨界の可能性も下がってくるはずである。そのための説得的なデータが既に得られているのであれば、速やかに公表し、少なくとも再臨界の可能性は無いことを示して欲しいのだが。

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福島第一3号機、蒸気放出見合わせ…圧力が安定

福島原発
 東京電力は20日午後、福島第一原子力発電所3号機の原子炉格納容器の圧力が安定したため、格納容器内の蒸気を外部に放出して圧力を下げる操作を当面見合わせることを明らかにした。

 東電は圧力が再び上昇を始めたとして、蒸気を外部に放出することを検討していた。

(2011年3月20日15時53分 読売新聞)

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