アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

福島第一原発二号炉の炉心溶融の可能性 現場の自己犠牲と石原〈我欲〉都知事の傲慢

福島第一原発三号炉で、水素爆発の結果建屋が吹き飛んでも、炉体自体は損傷がなかったようだ。建屋内での水素の蓄積が進む中で、予想された事態だったが、最悪の事態は避けられたのではないか。観測された「黒い雲」は何らかの有機物(建屋内の建材など)を含む燃焼反応によって黒鉛(いわゆる「スス」)の発生があったせいだろうと思う。それが「放射能雲」では無くて、煤煙(ススを含む煙)であることを祈るのみであるが、情報が足りない。
同二号炉の冷却がうまくいっていないと言う情報が気がかりだったが、ついに、今(午後8時頃)、冷却水の水位が燃料棒のすべてが露出するところまで落ちたという報道が出た。解説の東大・関口(だったか)教授の表情からも、事態の深刻さが伝わってきた。教授の解説時(8時頃)には海水注入の手段が絶たれたと云っていたと思うが、それが本当なら絶望的だ。
しかし、その後一時間くらい経って(九時前)からの東電幹部(だと思う)の報告では、海水が注入されていることを示す水位計の動きが見られたということだった。しかし、この人物の表情も徹底的に暗い。昨日も書いたように、現場では、水素爆発の危険性を顧みず、被曝を自明のこととして、命がけで、自らの命を削っての作業が進められている。それを当人たちは当然のこととして行っているのだろうが、真に英雄的な行為だ。現場で働いている方々、そして亡くなった方、負傷された方には、国民は本当に感謝しなければならないのだが、報道関係者にはどうもそう言う感覚がないらしい。石原都知事がまたおかしなことを言っている。日本人は我欲で生きていて最低だから天罰が下ったそうだ。それはそのままご自身にお返ししたい言葉である。福島原発では今、彼とは対極にある生き方をしている無名の作業員や技術者が自己の命を捨てて闘っているのだ。
ともかく、事態は刻一刻と変化しているのだが、私の家ではBS(衛星放送)しか映らないせいもあるのか、報道に緊迫感が無くて、平常時の報道に戻っているようだ。地上波も同じだろうか。むしろ今こそ、正確な報道が必要なときである。毎晩、原発はどうなったかが心配なままベッドに入り、朝起きて、テレビをつけて、何とか原発カタストロフが避けられていることを知って、一息つくというのが、ここ数日のパターンだが、明日の朝も同じように、事態が最悪の状況になっていないことを祈って今日もベッドに潜り込むのだろう。