アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

自壊する帝国

谷山浩子が日記でほめていたので、佐藤優「自壊する帝国」を読んでみた。
これはすごかった。
ソ連崩壊以前のモスクワ大学哲学部には、科学的無神論学科(!)があり、神学専攻の外交官(これもすごいですね)の卵であった著者は、そこで学生としてアレクサンドル・カザコフ(通称サーシャ)と知り合う。旧ソ連の知識人には、表向きは唯物論的な共産主義の建前を奉じつつも、巧みにカモフラージュした形で本音としてのキリスト教信仰を保持するしたたかさがあり、科学的無神論学科もそのような擬制のひとつであることが著者にも分かってくる。
サーシャと著者の友情物語を軸に、「社会主義帝国」がどのようにして崩壊していったのかを、当事者たちとの深い交流の記録として描く。私が注目したのは、神秘主義ベルジャーエフが代名詞になるような霊的衝動がソ連邦崩壊の背後にあったらしいということだった。要するに、「ベルジャーエフを読め」ということなのだ。佐藤優大川周明に関する本も書いているが、そちらは、自分自身で大川周明を読み込んでからにしようと思う。大川周明は、今、「安楽の門」を読んでいて、すごく面白い。大川周明ベルジャーエフ

自壊する帝国

自壊する帝国

今日の昼飯は、娘と一緒だった。「めしくうべ」で、鯖味噌煮。娘は、長芋と豚肉の辛味噌炒め。それから、煮豚サラダも。
「そういえば、この前、東京地裁で傍聴してきた。いきなり、加藤の裁判で、びっくりした。秋葉原事件の加藤。目の前で見たけど、ほんとうに普通の人だったよ。普通の人が、あんな事件を起こすんだね」