若い頃は、自分でもほれぼれするような夢を見た。ユングが喜びそうな。
しかし、最近は、夢の世界からの引き際が悪いのか、鮮明に覚えていることが少ない。
昨日の夢では、どこか病院の事務所みたいなところに、人が何人かいて、その人たちに、ありがとうございました、とお礼を言っているのだった。目が覚めて、よく分からなかった。誰かに御世話になっているのかも知れない。それを、私の無意識はよく分かっていて、お礼を言いに行ったのか。
夜明け前の病院の事務所が天使たちのたまり場になっているので、私は重い体を抜け出して彼らに会いに行ったのだろう。
あるいは倉橋ヨエコの「終楽章」の最初の曲「感謝的生活」を深夜に車の中で聞いたせいかも知れない。ヨエコの詞は常軌を逸しているので好きだ。だが、この曲は優等生が書いた反省文みたいで、素直に聞けない。それでもその声と音楽にはいつものフグ毒が猛烈に分泌されており、シビレてしまう。誰かがティンパニも叩いているようだ。セロニアス・モンクの「ブリリアント・コーナーズ」を思い出す。