アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月10日#24

Das ist eine Auseinandersetzung des Menschen mit dem Geiste außerhalb dessen,
was er erleben kann.
これは、人間と靈との間のひとつの交渉であって、
人間には知ることができません。

Das ist eine Auseinandersetzung in einer solchen Weise,
daß die Erfolge dieser Auseinandersetzung nicht vererbbar sind,
この交渉は、
その結果が遺伝できないようなあり方で生じるのであって、

nicht in die Eigenschaften,
die in der Vererbungslinie liegen,
aufgenommen werden können.
遺伝の系列に連なって享受することができない性質のものなのであります。

Der Mensch entwickelt etwas,
was nicht in das Gattungsmäßige einfließen kann,
was dem Gattungsmäßigen enthoben ist.
人間は、
「属」に流し込むことのできないもの、
「属」に適うものから解放されたものを、
発達させているのであります。

Insofern der Mensch ein Gattungswesen ist,
人間が「属」としての存在である限りは、

hat er alle Fähigkeiten,
die ihm als Gattungswesen zukommen,
属存在として彼に来る能力のすべてを所有し、

geradeso vererbt,
wie sie das Tier vererbt hat.
動物と同様に、
それらを遺伝させます。

Nur vererbt man ihm nicht so viel Geschicklichkeit,
nicht so viel Geist,
wie man dem Tier vererbt;
人間は、
人間が動物に遺すほどに多くの器用さを、
靈を、
人間に対して遺すことはありません。
(この箇所、うまく理解できません)

sondern man läßt noch etwas übrig,
was er sich als Individualität aneignen kann.
そうではなく、
人間は、
個人として獲得したものを、
残すのであります。

Und das Leben des Geistes in Bezug auf die nicht vererbbaren Eigenschaften ist das über das Tier hinausgehende Menschliche seelische Erleben.
そして、
その遺伝不可能な性質に関する靈の生活とは、
動物を超越したところの、
人間の魂の經驗なのであります。

Indem der Mensch die Produkte seiner Arbeit und Tätigkeit genießt,
人間は自分の働きと行為の成果を享受することによって、

insofern sie durch nicht vererbbare Eigenschaften im Leben erworben werden,
それらが生において遺伝的な性質によって獲得できないものである限りは、

entwickelt er ein seelisches Leben,
das über das tierische leben hinausgeht.
動物の生を超越した魂の生活を展開していることになるのであります。