アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

臓腑と火刑台

S博士によれば特定の欲望が特定の臓器・器質に関わるという(動物の”魂”の話)。なるほど、考えてみれば、脳の欲望、眼の欲望、脚の欲望もある。生殖器や消化器だけが欲望の源では無いのだ。愛の欲望は”高次の身体”における未知の器官に関係しているのかも知れない。

音楽は耳の欲望が生み出したものか

それから丁度プロメテウスの兄弟である巨人アトラスが大地を負うようにして一つ一つの小さな波の山をその背に担う

自動反転砂時計の幻
凄惨な夜に傷ついた眼

時間の神の通り道に落とし穴を掘って待っている
美しい老人
不老不死の妙手はこれしか無いと信じている
スミレ色の時間

そして老人の罠にまんまと落ちる! 
それ以来時間が進んだという話を聞かなくなったでしょう? 

この世界には今だけがある
不老不死の世界が広がっていく
古い染みのように

すべて私が悪いのだ
ともあれ火刑台に送られないよう用心するのが先決だった
見よ盲目の馬が悪い生理の女を攫っていく!

  *

「幸いだ、悲嘆にくれる者たち、
その彼らこそ慰められるであろう!」