アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

悪しき画家

悪しき画家は世界を意味で塗り固める
たとえばゆっくり墜落してくるおおきなレンズの憑いた飛行物体が
煙を吐きながらわれわれの貧しい地上に届くまで
われわれひとりひとりの身体の中で静かに燃えている太陽を
感傷的な田園の夕景に沈ませる
枯れ草の金色の耀きが導く画室への道
彼を待つトルソは赤い心臓を持つ
愛はいつも傷口から滲み出るもの
破滅する世界が噴き出す炎で顔を洗う