何が「マルクス主義」なのかを理論的に明らかにできるかどうかは、
現実の生活にとってはどうでもいいことなのだ。
大切なのは、
マルクス主義がどんな精神をその思想の担い手の中に注ぐか、
と言うことだけである。
この意味では、
マルクス主義はただひとつの例であるにすぎない。
他の党派的ドグマもまた、
同じように現実から遊離した性格を持っており、
われわれの社会生活の不幸はこのように病的な時代現象が横行していることに基づいているのである。
シュタイナー「現代と未来を生きるのに必要な社会問題の核心」第二部 社会有機体三分節化をめぐって 五=思想の迷路とジャーナリストのモラル (高橋巖訳 イザラ書房 1991年4月30日 第一刷)