アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

豚と革命 (改)

スターバックス・コーヒー”の片隅で
キャラメル・フラペチーノを啜る
私の魂の機械に
ある秋の薄暮
”指令”が降る
1 魔女キルケを探し出し豚に変えてもらうこと
2 ルターの信仰義認ミュンツァーの律法義認ノマの行動義認すべてを蹴飛ばし”阿鼻叫喚の石段”を駆け下ること
3 処女水にて再生
すなわち
1 人の道を離れ
2 革命を遂行し
3 “あるす・あまとりあ"に至れ!
の意である
  ☆
夜の塊に灯が点る
スターバックス・コーヒー”の片隅で
独逸農民戦争から放射能千年王国運動へと至る一直線の道を駆け上がる豚こそが私である
十二時閉店
深夜の乳母車に乗って
“阿鼻叫喚の石段"をガタガタと墜ちていく豚こそが私である
夜の執政官
夜の提督
夜の百卒長
夜のピアノたちが追いかける
私の魂の機械
乳母車が
深夜の地平線を疾走する
生成 袋角
橋姫 霊女 
痩女 孫次郎
小面 翁
瘤左衛門 飛出
霊男
私の魂
疾走する赤ん坊をあやす
戦乱を生き延びた仮面たちよ
私たちの奴隷根性はまだ熟していないままです
処女水
オーケアノスの激流を下る乳母車を
十万の歩兵
二万の騎兵
三十二頭の戦闘の象たちもただ見送るばかりであります
 ☆
三途の川で幼児受洗
すべて被造物は虚無に服す