アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

月からの噴出が地上に降り注ぐ夢

私を含めて三人の人物が、学校のような建物に入って行く。薄明の世界。古代遺跡を模したような、凝った作りのアーチがある。赤い門だった。もう一つのアーチも見たような気がするが、思い出せない。青かったかも知れない。何か異変を感じ、外に出ると、空高く、満月から、地上に向けて、満月と同じ黄色の独立した炎の塊が、くり返し、くり返し、地平線近くの森と建物のシルエットの上に、降り注いでいる。月の成分が地上に降り注がれているのだ。私は、その落下点が、どこか外国であるかのように考えていたが、三人のうちのひとりが、校庭の広い地面を駆け抜けて、森と建物のシルエットの方にむかった。彼は、その地平線近くで、月からの炎に着火してしまったらしく、背中に火を背負ったまま、こちらに駆けて帰ってきた。校内で、水道の蛇口をひねって、バケツに水を満たす私の後ろで、彼の背中が燃えつづけていた。