エンゲルス「ドイツ農民戦争 」 戦後間もなく 昭和二十四年のナウカ社版
広辞苑編者、新村猛への献呈本。 戦中治安維持法でぶち込まれた猛先生。
本当に嬉しかったのでしょう。封筒の宛名らしいものが糊付けしてあります。
偶然、二千円ほどで手に入れてしまいました(ラッキー!)。すばらしく、力のこもった本です。訳者伊藤新一の解説もいい。戦後まもなくの左翼知識人は、血湧き肉躍っていたのでしょう。これで勉強します。@Byoyuken_Neko8 素晴らしい。ナウカと言うのもすごいですね。
「エンゲルス・ドイツ農民戦争・第二版への序文より」
ルンペン・プロレタリアート、あらゆる階級の零落した連中の掃きだめ、大都市にその本営をもつ彼らは、一切の同盟者のうちで最悪のものである。この賤民どもは、絶対に買収が利き、絶対に手に負えぬ。・・・・これらのルンペンを前衛に用いたり、かれらをたのみにしたりする労働運動の指導者は誰であろうと、ただそのことだけで労働運動に対する裏切り者たるをしめしているのだ。
キリスト教的アナキズムのヨーロッパ中世における発生を描いた名著「千年王国の追求」のなかで、ノーマン・コーンは、エンゲルス「ドイツ農民戦争」の視点を一面的であるとして批判している。この読書で、その意味するところが具体的に感じられればと思う。