Sさん
これは、すごいですね。
ファウストのオイリュトミーですか。
こういうものを見ると、シュタイナーの底知れない叡智を見せつけられたようで、自分の非力を痛感させられます。
昨日、楽器修理のためにお茶の水に行って、たまたま覗いた東陽堂の安売りで、昭和初期の版で中江藤樹と、本居宣長と平田篤胤の選集を見つけました。各巻三百円だったので買って、ぼちぼち読み始めました。
中江藤樹の「翁問答」によると、(儒)学の広大さにたじろぐ弟子に、広大なのは、誰でもが入り得るためであって、嘆くに及ばぬ、むしろ喜ばしいことである、という意味の言を見つけ、人智学にもそのまま当てはまるなあ、と思った次第です。
中江藤樹は日本の陽明学の開祖と言うことですが、実際に読んでみると、むしろ、中国思想に伝統的な、気の思想、気の宇宙論に基づく人間観、宇宙観が根底にあって、その展開として封建社会・人間関係を論じているようです。つまり、エーテル体の問題が正面に出ているようです。シュタイナーにあって、中江藤樹(とおそらく他の儒学系思想家)に無いものは、キリスト教神秘主義の根源にある個人が担うべき神性とその発現としての個人主義・個体主義かと思いました。
オイリュトミーは、学生の頃、ゲーテアヌムで観た思い出があります。
笠井さんのオイリュトミーと、そのお弟子さんの公演も観ていました。
しかし、シュタイナーの「言葉」論の実践としてのオイリュトミーという事に思いが至らなかった当時の私です。
23日には間に合わないものの、社会的言論のおおもとにある「言葉」自体の宇宙的な力に関してシュタイナーが開示したものを学ばなければと思っています。特に、創世記に関する一連の講義がそれにあたるようですね。
Sさんがオイリュトミーを習うというのは、大賛成です。
楽しくなっちゃうなあ(笑)。
この手稿を私のブログに載せても良いでしょうか。
シュタイナーに感心のある人は、これを見て、大いに触発されるものがあると思うので。
追記:
つくばの脱原発デモは、やはり、マスメディアには取り上げられなかった模様です。
主催者は550人と発表しましたが、そんなにはいなかったのではないかと思いました。
_______________
あまり風呂敷を広げすぎるのは問題だが、人智学の土着化をテーマとする自分が、かつての優れた先達たちが、仏教や儒教などの外来思想を消化吸収し、昇華させて、日本に根付かせた努力を知ることはいわば義務でもある。本当に偶然に出会った本だったが、中江藤樹も、人智学的な観点から見ると、近代人・現代人である専門の学者とは違う解釈が可能だと思う。ふとのぞかせる横顔にその人の真実を垣間見るような、そんな読書なら出来るのではないだろうか。読み通せるかどうか。古語辞典と漢和辞典を買うのが先決だ。最近の日本の辞書は本当に良くできているので。独和も、英語圏のドイツ語辞書に比べて、はるかに良くできていると思います。
- 作者: 在間進
- 出版社/メーカー: 三修社
- 発売日: 2010/03/01
- メディア: 単行本
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (7件) を見る