アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

7・31右から考える脱原発集会・デモ in東京 〜福島の子供たちと麗しき山河を救え!〜 2011年7月31日 14:00 〜 17:00 私も参加します。

昨日(7/27)、東京大学アイソトープセンター長・児玉龍彦教授による衆議院厚生労働委員会での報告(2011.07.27 国の原発対応に満身の怒り - 児玉龍彦 - YouTubeテキスト)を聴いて、あらためて、一刻も早く、福島の若年層を緊急避難させるべきことを再確認した人も多いと思う。しかし、本来の放射線医学・放射線防護の専門家からのこのような厳しい現実認識が、政治家・国民に届くまでに、5ヶ月近くも要したというのは、一体、どういうことなのか。

児玉先生によれば、遺伝子のDNA二重らせん構造(デオキシリボ核酸Wikipedia参照)は、本来、二つのらせんが絡まり合う事で、物理的な強度を保っていると言う。しかし、細胞分裂の際に、この二重らせんがほどけて、らせん一本一本が独立する。この状態のDNAは、放射線の攻撃に対して無防備であり、容易に毀損されてしまう。この細胞分裂は、若年であればあるほど、活発に進行している。胎児、幼児、子供、若者は、その意味で、被曝による成長・健康障害を最も受けやすい。このような具体的なイメージが持てる人ほど、現実に起きている事の恐ろしさが肌身に迫るものとして実感できる。おそらく、知事、市長、国会議員経団連幹部などのほとんどが高齢者なので、このような理科系の話が理解できるような教育を受けて来なかったはずである(ワトソン・クリックによるDNAの二重らせん構造の解明は1953年・昭和28年)。彼らはこの恐ろしさが理解できなければこそ、未だに原発推進を唱え、切迫した緊急避難の必要性さえ馬耳東風なのだろう。逆に言えば、今回の原発事故に関する国論の二分の大きな原因のひとつが、このような技術的な細部に関する理解の不徹底にもあるのかも知れない。しかし、幼い子供を持つ母親たちは、そのような技術的議論以前に、差し迫った幼い生命の危機を肌身で感じ取ることが出来ているのではないか。

ちなみに、副島隆彦氏は、私は尊敬すべき人物であると思うが、基本的に文系的教養の人で、理科系の問題に関してはトンチンカンな場合がある。副島派の人々が、福島県民の疎開に対して基本的に異議を唱えていられるのも、この辺の現実認識の違いに基づくものではないか。しかし、福島在住の方で、特に若いご家族などは、放射線防護(内部被曝)の専門家である児玉先生等の御意見を真剣に検討した方が良いと私は思う。

しかしながら、この現実を認識してはいても、より安全な地域へ避難するには、お金、仕事、住居、学校、地域共同体からの別離など、問題は多く、障壁は高い。ここで、政府の十分な緊急援助が不可欠だが、現実には、強制移住の方々にしか、援助は出ないと言う。

一方で、既に、福島の母親の母乳からも、放射性セシウムが検出される事態が生じている。私は知らなかったが、燃料棒は、酸化ウラン微粒子を有機系のバインダーで固めたものだそうだ。従って、燃料棒がメルトスルーすれば、この有毒な放射性微粒子が環境に四散することになる。福島第一原発事故現場から絶えず放射能が漏洩している現実を考えると、内部被曝を避ける意味でも、出来るだけ、現場から離れなければなるまい。現場の方々の被曝の問題からも、目をそらす事は出来ない。

子供をこのような目に遭わせる事は、耐えられない。このような現実を放置していては、自分自身も幸せだとはとうてい感じることが出来ない。デモは、第一歩にしか過ぎないかも知れないが、民主主義社会で政府や世論を動かすための最重要な手段のひとつだ。1万5千人・高円寺デモに端を発する全国的な脱原発デモの広がりがもし存在していなかったとしたら、と考えるとぞっとする。無知・無学系推進派、確信犯的推進派に押し切られ、日本の国土、日本人は、決定的な奈落の底に突き落とされていただろう。

_______以下貼り付け開始______

7・31右から考える脱原発集会・デモ in東京
〜福島の子供たちと麗しき山河を救え!〜
2011年7月31日 14:00 〜 17:00
右から考える脱原発ネットワーク
@anntokyo1107


脱原発運動を右の立場から全国へ発信!
いまこそ、すべての人に呼びかける脱原発のウェーブを!

会場:芝公園23号地(東京都港区芝公園3丁目)
http://www9.plala.or.jp/k1byking/bayside/shibakoen23.html
(最寄駅/都営三田線御成門駅」A1出口から徒歩3分
東京メトロ日比谷線神谷町駅」3番出口から徒歩4分)

日時:平成23年7月31日(日) 14:00より集会 15:30〜17:00 デモ行進
デモコース:芝公園〜東電前〜有楽町数寄屋橋〜水谷橋公園解散 (予定)

参加費:無料 (どなたでもご参加いただけます。)

注意事項 (今後の状況によっては増える場合もありますので続報をお待ちください。)
1)当日は猛暑が予想されます。飲料水や帽子などの用意をお願いします。(万が一のために備え救護班を配置する予定です。)
2)各団体の幟や旗及び趣旨に相応しくないプラカードや服装・言動はお断りとさせていただきます。
3)当日は記録撮影及びライブ中継を予定しております。顔を写されたくない方はマスクなどの用意をお願いします。

脱原発東京
#tokyo#genpatsu#genpatu#611shinjuku#nonukes
開催場所
芝公園23号地

_______以上貼り付け終了______


楳図かずおに「漂流教室」という傑作がある。小学生が一クラスごと、異次元の空間に放り出されてしまう。私の曖昧な記憶では、そのきっかけは、大地震だったと思う。私自身も、3月の大地震によって、どこか異次元に放り出されてしまったような気分が日に日に強まる一方だ。

今日は、正午近く、空が激しく乱れて雨雲の濃淡が怪しく、大粒の雨が高いところから降り注いだ。植物たちが、一斉に反応して、気孔を開き、花開いて、辺り一面、かぐわしい生気がみなぎった。私はそのとき、大きく開けた天のよびかけに呼応する地上の生命の歓喜の声を聴いたように思った。実際は、ベートーヴェンの第八シンフォニーが車内に轟き渡っていただけなのだが。指揮者はテンシュテットで、私は無性に山に行きたくなった。こんな気持ちは高校生以来のことだった。