アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

ニジェールのウラン採掘現場は旧宗主国フランスの原子力企業アレバが所有し、原因不明の死者が続出している

クーリエジャポン6月号・ほんとうの「原子力」の話』セブン・イレブンで買う。
私は、タイピングが苦手で、記事をここに写せないので、要約してみよう。
ニジェール北部アーリットにあるウラン採掘鉱山は、旧宗主国フランスの原子力企業アレバが所有し、原因不明の死者が続出している(元記事はドイツ・シュピーゲル誌)。鉱山残渣には、放射性同位元素が多く含まれているが、アーリットの町はずれに、吹きさらしで放置されている。3500万トンの巨大な丘である。「核のぼた山」である。その核のぼた山から吹いてくる砂埃には、我々が今恐れている放射性核物質が豊富に含まれている。その環境で、ニジェールの人びとが生きている。アーリットはかつて、第二のパリと讃えられた美しい街だった。街の病院はアレバが所有しているので、人びとの病因が、放射能汚染のせいであるという診断は、一切出ない。アレバの女社長は原発事故処理の商談で、最近日本に来たので、覚えている人も多いだろう。こういう会社に仕事を頼まなければならないのだろうか。われわれの税金がこの会社をもうけさせるのか。それでいいのか。
福島だけではなく、一般人が知らないところで、ウラン鉱山のある低開発国の人びとが、内部被曝外部被曝し、命を蝕まれている。鉱山は、一般的に云って、人権など確立されていない低開発国にある場合が多く、人びとは、強制退去させられたり、低賃金で働かされたり、ひどい目に遭っているが、そういうことが日本の低レヴェル新聞テレビに報道されることは、ほとんど無い。
ウラン燃料工場でも、再処理工場でも、発電所でも、原子力関連では、最も立場の弱い人びとが苦しめられ、搾取され、生命・健康を蝕まれ、奪われる。それを承知の上で、なおかつ、原子力発電存続を唱える人がいれば、その人は悪魔に魂を売り渡した人である。われわれはようやくそのことに気がついたのだから、さっさと悔い改めて、このような悪魔に支配された原子力文明から決別し、貧乏人や、立場の弱い人こそが幸せに暮らせる世界にしなければ、ご先祖様にも、子孫にも、顔向けが出来ない。そう思うのが、伝統的な日本の庶民の心情だ。宮沢賢治もそうだった。「世界にひとりでも不幸な人がいれば、私は幸せになれない」というのは、本当の事なのだと、日本人は無意識に知っている。それが今度の震災で日本列島から産出された大粒のダイヤモンドだった。