アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

トムソン・ロイター論文引用率ランキング 競争が自己目的化する不幸な世界を作り出す狡猾なビジネス

学問は、本来競争にもっともそぐわない領域、人類の精神性の発露の領域である。
学問は、その意味では、芸術と同じだ。たとえば、芸術家のランキングがあれば、それはおかしなものだ。誰かが、北斎ゴッホ若冲レンブラントを並べてランキングしたとしても、それは主観的な美意識の問題で、そこに客観的な基準はあり得ない。学問も同じことで、数量化できるもの(被引用率など)でランク付けし、競争をあおるのは、学問の奴隷化の一環であり、新種のビジネスと言うよりも、意図的な文化の退廃化の企てである。大学や研究機関のランキングに振り回されているのは、多くは日本、中国、韓国などの西洋型アカデミズムの後発国であることにも注意すべきだ。
本来質的な問題を量的な問題にすり替えることは誤りである。あらゆるランキング・ビジネス、国際評価ビジネスは、そのような過誤を意図的に作り出し、人々を、国々を、競争に駆り立て、本来の目的を忘れさせ、競争自体が自己目的化した世界、醜悪な競争世界を作り出す。
マスメディアは喜んでそれを引用する。しかし、そのことによって、文化そのものが変質し、妖怪めいたものが我が物顔で徘徊する世界、不幸が蔓延する世界が現出する。すでに日本、韓国でそのような現象は顕著である。
トムソン・ロイターはロス茶系企業でもある。

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論文の引用回数ランキング、東大が世界13位

 米国の学術情報調査会社トムソン・ロイターは、2000〜10年に論文が引用される回数が多かった日本の研究機関のランキングを発表した。
 東京大が10年連続でトップだったが、世界4518機関の中では13位で、前年の11位から順位を下げた。
 国内2位は京都大(世界33位)、3位は大阪大(40位)、4位は科学技術振興機構(66位)、5位は東北大(67位)。分野別では、物理学で東大が世界2位、材料科学で東北大が3位、化学で京大が4位となるなど、22分野中6分野で日本の機関が世界5位以内に入った。

(2011年4月16日12時01分 読売新聞)

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